ワールドカップの聖地エスタディオ・アステカ 名選手が躍動し、好勝負が繰り返されるスタジアム (4ページ目)
するとある時、シャトルバスの運転手は大胆にも反対車線に乗り入れて、前から来る対向車をまるでマラドーナのドリブルのように華麗にかわしながら、渋滞を避けてスタジアムまで走りきったのだ。
イライラしていたサポーターたちは大喜びし、一斉に運転手を讃えて叫びだした。
「チキッティブン、アラ、ビンボンバ! チキッティブン、アラ、ビンボンバ! チョフェル、チョフェル、ラララ!」
「チョフェル(Chofer)」は、スペイン語で「運転士」の意味だ。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。
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