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久保建英の負傷は「代えがきかない」代償も、過度の悲観は不要 復調したチームが復帰を待つ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【年明けの久保は何がよくなったのか】

 2026年に入り、久保は本来の姿を見せつつあった。セルヒオ・フランシスコ監督の解任で、選手間に危機感が高まったこともあるだろう。新監督のおかげでトランジションの意識が徹底され、局面の勝利を全体の優勢に結び付けられるようになった。そして単純に、久保がアドバンテージを持った状態でボールを受けられるようになったのだ。

 久保自身は、まずはプレッシングで走るのを厭わず、リトリートでは下がって守備に貢献した。バルサ戦も、味方との連係でボールを奪う場面があった。何より、密集地帯でボールを受けてもマークをはがし、ボールを展開できることで、彼のキープ力が守備にもつながっていた。24分にはフレンキー・デ・ヨングをはがし、カウンターでゲデスのシュートを演出したが、まさに攻守の起点だった。

 そして32分、久保が真骨頂を見せる。アレハンドロ・バルデ、ダニ・オルモのふたりを右サイドのドリブルで引きつけ、フリーになったゲデスにパスを戻す。そのクロスをファーサイドのオヤルサバルが左足ボレーを叩き込み、先制に成功した。

 ラ・リーガで今や、久保は「ひとりで止められない」というアタッカーになっている。彼がボールを持ってドリブルを挑むだけで、優位性が生まれる。チームとして、それを生かすメカニズムさえあれば、勝ち筋につながるのだ。

 久保は主将のオヤルサバルと並ぶ「代えがきかない選手」として、年明けの4試合もフル稼働していた。結果的に、それが今回のケガにつながったとも言えるだろう。国王杯はPK戦にもつれ込んで勝利したが、疲労は甚大だったはずだし、バルサ戦も序盤から攻守の消耗は激しく、限界まで戦った"代償"とも言える......。

「プレータイムを考えて、もっと早く下げておけば......」

 そんな"たられば"を言うのは、久保が早めに途中交代を命じられたときには、「なんで下げるんだ!」と文句を言っていた人たちだろう。それだけプレータイムの管理は難しい。久保はリオネル・メッシなどと同様、ベンチで試合を見ることにむしろストレスを感じるタイプで、ギリギリまでピッチに立たせたくなる選手でもある。

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