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【欧州サッカー】ベンゲルが見つけた世界最高のボランチ ヴィエラこそアーセナル無敗優勝「真のMVP」 (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【アンリやベルカンプをフォロー】

 ベルカンプがセンターフォワードの位置から中盤に降りてきたり、アンリが左サイドからカットインしたりする戦い方は現在のゼロトップ(偽9番)に近く、当時としては革新的だった。それでもバランスを崩さず、チャンスと見るやベルカンプ、アンリを絶妙の距離でフォローするヴィエラの貢献を軽視してはならない。

 あくまでも私見だが、彼は現在・過去を問わず世界最高の守備的MFではないだろうか。フィジカルもテクニックも状況判断も、21世紀のフットボールで十分通用する。フランス代表が1998年ワールドカップ、EURO2000を連覇できたのも、貴重なバックアップとして「ヴィエラがベテランと若手の緩衝材になったからだ」と言われている。精神的な配慮も申し分ない。

 今、フランス代表にヴィエラのような迫力が感じられるMFはいない。また、アーセナルのデクラン・ライスは「インヴィンシブルズ(無敵の軍団)」と評された2003-04シーズンのキャプテンを務めた男の域に達するまで、もう少しだけ時間が必要だ。

 しなやかで美しく、なおかつ力強く、ケンカ上等──。パトリック・ヴィエラを敵に回したくはない。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

【図】FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー

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