【ワールドカップ】ハーランドだけではない! 爆発的攻撃力のノルウェー代表を象徴する超新星 (2ページ目)
【移民系選手の台頭】
人口約550万人のノルウェーには移民が約100万人いる。1990年は19万人にすぎなかった。急激に増加している。
移民で最も多いのはポーランド、次いで近隣国スウェーデン。さらにパキスタン、イラク、ソマリアとなっていて、アフリカからの移民がマジョリティというわけではない。ただ、代表チームにはアフリカ系移民の台頭が目立つ。2000年代に活躍したヨン・カリューはガンビアにルーツがあり、アレクサンダル・テッティはガーナ出身だった。ただ、彼らはまだ例外的なケースで、現在はそのころとは様相が違ってきている。
2010年以降は移民2世が中心になった。ヌサ(父親がナイジェリア人)やボブ(ガンビア人)はその流れで代表の重要な戦力になっている。この世代の台頭は育成環境の整備が影響している。
育成環境が整うと移民系選手が増えたのは、フランスやベルギーと同じ。ただ、フランスの移民人口約920万人、ベルギーの約200万人に比べるとノルウェーの規模は小さい。そもそもの総人口も少ない。そのせいかフランス代表のように移民系が先発メンバーの大半を占めるようにはなっておらず、ノルウェーの場合は部分的な影響にとどまっている。プレースタイルの変化がないのも、おそらくそういう事情だろう。
ノルウェーは育成の整備の仕方もフランスやベルギーとは異なっている。育成のカギになったのが人工芝なのだ。
寒冷地ゆえに屋内型人工芝グランドを普及させた。そこにスペイン風のポジショナルプレーに育成年代から取り組むようになり、人工芝で年間を通した技術練習が可能になったことも相まって、ヌサやボブに代表される技巧的な選手を輩出するようになったわけだ。たんに移民が増加しただけでなく、人工芝の普及によって個の能力を生かせる環境が整ったのが大きい。
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