サッカー日本代表戦にブラジル代表は高いモチベーション 日本は自信に満ちた王国とどう戦うべき? (3ページ目)
【日本戦も真剣勝負に】
ヴィニシウスはこの試合、何度も40メートル走っては自陣まで戻り、ボールを保持した。ブラジルのFWはあまり自陣に戻ったりしない。戻るのはモチベーションが高く、フィジカルコンディションがいい時だ。バッドボーイがこんな献身的なプレーを見せてくれるのは、すべてがうまくいっている証拠だ。
そしてチェルシーの19歳、エステバンはこの試合で2ゴールを決め、ブラジル代表に確固たる席を得た。ブラジルの次世代のダイヤモンドとも言われており、磨けばより光るだろう。
今回招集されていない優秀な選手も多い。アリソン・ベッカー、エンドリッキ、ラフィーニャ、ジョアン・ペドロ......。FWなどは代表レベルの選手が7、8人いて、インフレ状態だ。若手の台頭、経験ある監督、すべてが明るい未来を感じさせる。セレソンが泊まっているホテルには、陽気なサンバが流れていることだろう。
この韓国戦の結果は、日本にとっても大きな影響があるだろう。この試合は日本戦への最高のウォーミングアップとなった。日本が対峙するのは、やる気と自信に満ち、ハッピーなブラジルだ。もし失敗しても優秀な仲間、優秀な監督が助けてくれる。だから思いきってプレーすることができる。試合が日本、韓国の順番だったらまったく別なストーリーになっていただろうが、これは天の采配だ。
おまけに日本戦はもうひとつ別な意味を持つ。レギュラー争いだ。現在のブラジル代表でワールドカップ行きが決まっている選手は、ロドリゴ、ヴィニシウス、カゼミーロ、ミリトンぐらいだろう。あとの選手はまだ不安定な状況だ。ワールドカップまでの代表戦は数が限られている。決まっていない選手たちは、この間にアンチェロッティを納得させなくてはいけない。いかに自分が優れ、チームのために役立つ選手かを見せつけなくてはいけない。
日本戦は親善試合ではあるが、選手個々にとっては真剣勝負。モチベーションは途方もなく高い。特に今回、初招集されたヴィチーニョ(ボタフォゴ)らにとっては、この試合で人生が変わるかもしれない。モチベーションはとんでもなく高いだろう。アンチェロッティは常々「私が欲しいのはワールドカップのスタメンの座を争う選手でなく、ワールドカップで優勝するために戦う選手だ」と言っている。
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