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久保建英の今季のプレーを地元スペイン人記者が分析「シュートの精度は期待されているほど高くない」 (3ページ目)

  • マルコ・ロドリゴ●取材・文 text by Marco Rodrigo

【クロスのクオリティーは?】

 久保のクロスのクオリティーについては多くの議論があり、しばし批判されることもあるが、これは特に彼を責めるべきではない。というのも、久保はふたつの点で明らかに不利な立場に置かれているからだ。ひとつ目は利き足と反対のサイドでプレーしているため、ふたつ目はクロスを生かせる優れたストライカーがいないためだ。

 さらに久保はダブルマークを受けるのが常になっている。この状況に直面した場合、ゴールラインまでボールを運び、得意ではない右足でクロスをあげるしか選択肢がない。一方、利き足の左サイドから上げた時は、常に正確なボールを供給していることを特筆しておきたい。

 ここで前述したFW陣の問題点が浮上する。センターフォワードを務めるのはミケル・オヤルサバル、オーリ・オスカールソン、ジョン・カリカブルだが、いずれも空中戦に優れているとは言えない。これはラ・レアルが長年抱えている欠点であり、クロスをあげる選手の精度が低いという印象を生む一因となっている。これは久保だけでなく、他のチームメイトにも言えることだ。

 上記は主に流れのなかでのプレーに関するものだ。一方、久保のセットプレーは他の選手と比べて効果的でない。

 ラ・レアルは今季、アストン・ヴィラからセットプレーのスペシャリストであるホセ・ロドリゲスをコーチングスタッフに迎えた。彼はここまで、同じ左利きの久保よりも力強いボールを蹴るセルヒオ・ゴメスやブライス・メンデスにキッカーを任せている。

 久保のキックは正確だが、味方の頭に向かってより緩やかに飛ぶため、相手ディフェンスに軌道を読まれ、クリアする時間を与えてしまう。これは久保が改善すべき点のひとつである。

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