久保建英の今季のプレーを地元スペイン人記者が分析「シュートの精度は期待されているほど高くない」 (2ページ目)
【シュートの精度は期待されているほど高くない】
昨季までの久保はイマノル・アルグアシル前監督のもと、ピッチを広く使うためにサイドに張りつくプレーを求められ、多くの試合で活躍の場が制限されていた。一方、今季はより多くの自由を与えられている。これは、過去3シーズンでラ・レアルから去っていったダビド・シルバやミケル・メリーノ、マルティン・スビメンディなどが担ってきた役割を久保が今季、引き継ぐ番になったことを意味している。
自由度が高まった久保は、以前ほとんど足を踏み入れなかったエリアに頻繁に姿を見せ、サイドと中央を行き来し、MF陣と連係しながらペナルティーエリア手前を動き回り、近年、相手に読まれやすいと批判されていたラ・レアルの攻撃に大きな活力をもたらしている。
しかし何よりも重要なのは、最終局面におけるプレーの精度と判断力だ。久保は試合の流れをよく理解し、戦術眼に優れ、周囲で起きているあらゆることをよく把握している。この特性を生かし、時間とスペースが限られている場合でも、常にほぼ正しい決断を下せている。
問題はその後の、頭の中で描いたシュート、クロス、ラストパスを実行する瞬間だ。彼のすばらしいアイディアはうまくいかず、結果につながらないことが多い。それは当然彼のスタッツ、そして得点数に悪影響を及ぼしている。
サン・セバスティアンの人々は、久保の重要な働きがあまり数字に反映されていないという印象を持っている。これは特に昨季、顕著だった。セルヒオ・フランシスコは、「久保にもっとゴールに近づくことを求めている」と話していたが、初得点を挙げたバレンシア戦ではうまくいったものの、試合を重ねるごとにその勢いは失われている。
シュート自体は悪くない。左足は正確で力強く、相手GKを脅かすだけの十分な威力を備えている。しかし、シュートの精度は、得ている決定機の数を考えると、期待されているほど高くない。久保は右サイドから中に切り込み、ファーサイドを狙うシュートを打つ傾向にある。この彼らしいプレーは数々の美しいゴールを決める原動力になっていた。だが、相手ゴールから大きく外れてしまうシュートが数えきれないほどあるのも事実だ。
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