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ブンデスリーガ日本人選手たちの新シーズンを展望 期待に違わぬ好プレーを見せそうなのは? (3ページ目)

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

【今後のパフォーマンスに注目】

鈴木唯人(フライブルク)

 今オフにデンマークのブロンビーからフライブルクへと新天地を求めた鈴木も、難しいスタートを切った一人だ。DFBポカール1回戦で途中出場を果たした鈴木は、その試合で中盤の選手が負傷したこともあり、開幕戦となったアウクスブルク戦でさっそくブンデスリーガデビューを果たした。トップ下のポジションで自身の力を示そうと意気揚々と試合に臨んだ。

 だが、前半に迎えた決定的なチャンスを逃してしまうと、後半にPKこそ奪取したが、周りの信頼をつかめていないところもありボールになかなか関われず。大きなインパクトを残すことができなかった。第2節のケルン戦も、決定的な仕事ができないままチームの低調なパフォーマンスも相まって連敗。思い描いていたようなスタートを切ることは叶わなかった。

 ただ、こういった状況に対して鈴木は、「負けて悔しいですけど、強くなれる感じがしているので全然落ち込むことはない」と前を向く。難しい状況だからといってネガティブになっている暇はない。そんな姿勢からは、一つひとつ、目の前の壁を乗り越えながら進んでいこうとする覚悟を感じた。

 今後、中盤の選手が復帰してくることを考えても、継続してスタメン起用されるかはわからない。それでも、鈴木は次のチャンスを掴むための努力を惜しむつもりはない。9月からヨーロッパリーグの戦いも始まるなか、攻撃面で決定的な仕事をする鈴木の姿を楽しみにしたいところだ。

菅原由勢、長田澪(ブレーメン) 
伊藤洋輝(バイエルン)

 今後のパフォーマンスが注目されるのは、ブレーメンの菅原由勢と長田澪だ。移籍市場後半に加入した菅原は、第2節のレバークーゼン戦に出場。手薄な右サイドバックで先発の座をさっそく掴んだ。まだまだチームに完全フィットしているわけではないが、最初の試合から先発で起用されたところにクラブからの信頼が透けて見える。攻守に違いを見せることで立ち位置を確立していきたい。

 開幕直前に守護神が移籍したことで開幕戦から第1GKに昇格した長田は、ここまで2試合で7失点と悔しいスタートに。それでも、アカデミー育ちということもありチームからの信頼は厚いはずだ。クラブは夏の移籍市場終盤に新たなGKを獲得したが、ポジション争いをしっかり制して守護神の座を掴みたい。

 また、ケガからの復活を目指すバイエルンの伊藤洋輝は、ついにトレーニングに復帰した模様。ケガの再発が怖いため焦りは禁物だが、しっかりと回復することでピッチに戻ってきてもらいたいところだ。

著者プロフィール

  • 林遼平

    林遼平 (はやし・りょうへい)

    1987年生まれ。埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして各社スポーツ媒体などに寄稿している。2023年5月からドイツ生活を開始。

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