プレミアリーグの新シーズンを展望 人気解説&実況コンビがビッグクラブの本気度をチェック (4ページ目)
【十二分なスカッドで優勝を狙うべきチェルシー】
林 次はチェルシーです。
下田 まず、クラブワールドカップ優勝おめでとうございます!
でも、また選手を増やしたじゃないですか。そのへんも含めてどうなんですか?
林 スリム化しようとしたんだけど、さらに増えちゃったみたいで。売りたい選手を売れていない。
下田 それでもシャビ・シモンズ(ライプツィヒ)やアレハンドロ・ガルナチョ(マンチェスターユナイテッド)を獲りたいって、獲りすぎですよ。
林 何チーム、作ろうとしてるんですかね(笑)。
下田 でも、徹底してるのは、みんな若いんです。チェルシーがアメリカ人オーナーに変わってからの方針は、若い選手と長期契約を結んでおいて、もしダメでも若いから売り直した時にそんなに値段が下がらないっていう発想。そう考えた時に、このやり方って意外と機能するんだというのがありました。
でも、獲りすぎですよね(笑)。
林 取りすぎですけど、もうスカッド的には優勝を狙わないといけない。
中盤の構成もエンソ・フェルナンデスをトップ下で使うこともできるんです。モイセス・カイセドは1シーズンフルで戦える。また、ロメオ・ラビアもいる。それにクラブワールドカップでやっていましたが、リース・ジェームズをボランチに上げちゃえば、エンソを1列前に上げられる。
下田 ジェームズのボランチはクラブワールドカップ仕様じゃなくて、シーズンも含めてあり得ますか?
林 エンツォ・マレスカ監督はやりますよ。クラブワールドカップでめちゃめちゃハマってたんです。そこで勝負して勝っちゃったみたいな。マレスカは昨シーズン通していろんな経験をしたことによって、すごい監督になりそうな感じが僕はしていますよ。
下田 ジェームズは右からクロスを入れてほしいな(笑)。
林 でも、右サイドはマロ・ギュストもいますからね。
前線は、ジョアン・ペドロがトップもできるし、左でもできる。リアム・デラップもいますから、トップ下もできると思います。
下田 そうするとコール・パーマーは右ですね。
林 後ろにはヨレル・ハトを取りました。左サイドバックでプレーしていますが、センターバックもできるタイプ。左利きのセンターバックになるので、そこがまた、うまく噛み合うといいですね。
チェルシーも今季は強いと。今まで話してきたチーム、全部強いですね。
下田 唯一アキレス腱があるとしたら、クラブワールドカップに優勝したことで、今シーズンどこかで軋(きし)みがこないかと。あの暑いなかでクラブワールドカップをあそこまでやって、新シーズンはすぐ始まっちゃうわけなので。チェルシーちょっと大丈夫かなって思ったりはします。
著者プロフィール
林 陵平 (はやし・りょうへい)
1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。現在はプレミアリーグからJリーグまで幅広く解説を務め、トップランナーとして活躍中。
下田恒幸 (しもだ・つねゆき)
1967年生まれ。東京都町田市出身。小学生時代に在住していたブラジルで出会ったラジオのサッカー中継がきっかけで実況アナウンサーを志す。1990年仙台放送入社、2005年からフリー。主にサッカー中継(Jリーグ、欧州主要リーグ)を担当している。W杯南アフリカ大会の日本×カメルーン戦、本田圭佑と長友佑都が対決したミラノダービーを現地中継。CL決勝を3度、EL決勝を5度担当するなど経験豊富。サッカー以外の競技の実況にも対応する。
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