【グラブワールドカップ】レアル・マドリード新監督デビュー 探るのは「最善の組み合わせ」 (2ページ目)
【目を引いた20歳のスペイン代表CB】
アロンソ監督は会見の言葉ひとつをとっても、単なる説明でも称賛でもなく、思考を刺激する示唆が含まれる。
「ジュード(・ベリンガム)はピッチのあらゆる場所を"制御できる"オールマイティなセンターMFと言える。とにかくプレーに参加するのが好きだが、ゴールに絡んだプレーをするセンスを持っていて、彼にとって正しい場所を見つけることが、チームにとっても助けになるだろう」
読解すると、ベリンガムはオールラウンドな能力と意欲があるが、最大の活躍場所はゴールに近い位置で、負担を減らし、正しいポジションでプレーさせるべき、といったところか。論理的なアプローチだ。
そしてアル・ヒラル戦では、アロンソのロジックを体現するセンターバックがいた。
新たに獲得したスペイン代表センターバック、ディーン・ハイセンは、20歳とは思えないプレーを見せた。長身で相手の高さに負けず、ポジショニングがよく、クレバーでラインをコントロールできる。何よりビルドアップのうまさは尋常ではない。縦につけるパス1本で違いを見せ、この日、ライン間に入ったジュード・ベリンガムに入れたパスはことごとく得点の香りがしていた。
アロンソ監督は、レバークーゼン時代のように能動的で「攻め続ける」展開を望んでいる。それには、それぞれが正しいポジション、正しいタイミングでプレーし、協調してお互いが高め合うことが条件になる。その点、ハイセンはひとつの基準だ。
それ以外は、これから最善の組み合わせを探ることになる。
たとえば、バックラインだけでもまだまだ不確実。リバプールから新たに獲得した右サイドバック、トレント・アレクサンダー=アーノルドはアル・ヒラル戦でほとんど目立たなかった。左サイドバック、フラン・ガルシアはタフさを見せたが、ベンフィカとの獲得交渉が大詰めのアルバロ・カレーラス次第だろう。ラウール・アセンシオは体調不良をおしての出場で、避けられたはずのPKに絡んでしまった。
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