【チャンピオンズリーグ(CL)】パリ・サンジェルマン(PSG)もうひとつの顔 栄冠をもたらした巨額マネー (3ページ目)
PSGが世界の頂点に立つために使った「マネー」は圧倒的だ。
今シーズンのPSGの選手の給与総額は、サッカー界で最も高いだけではなく、ひとり抜きん出ている。それだけでチャンピオンズリーグに出ていたクラブの2チームぐらいは簡単に運営できる。世界で最も裕福なクラブですら、鼻白むほどの金額だ。
公開されている最新の決算によると、2023-24シーズンのPSGの補強には6億5900万ユーロ(約1080億円)が使われたという。比較のために他クラブを見てみると、2位のマンチェスター・シティは4億8000万ユーロ。以下、レアル・マドリード4億6900万ユーロ、リバプール4億4900万ユーロ、バルセロナ4億3000万ユーロとなっている。
サッカー界にはこれまでも確かに"巨人"が存在してきた。1950年代にチャンピオンズカップ(CLの前身)で5連覇を果たしたレアル・マドリード、80年代末から90年代初頭のミラン、1999年に三冠を成し遂げたマンチェスター・ユナイテッド、その10年後にティキ・タカで旋風を巻き起こしたバルセロナ......。だが、そうした"王朝"には、常に「マネー」以外の何かがあった。
1950年代のレアル・マドリードは、スペイン人のタレント及び少数の国外の精鋭で構成されていた。シルヴィオ・ベルルスコーニ(当時のオーナー)のミランは確かに大金を使っていたが、当時のセリエAには複数の金持ちクラブがひしめき、誰もが優勝を狙える状態だった。1999年のマンチェスター・ユナイテッドの主力はユース出身の「92年組」(1992年にトップデビューを飾ったデビッド・ベッカム、ライアン・ギグス、ポール・スコールズら)だった。バルセロナの黄金期の基盤は「ラ・マシア」(下部組織)であって、中東の富ではなかった。
今起きていることとは、まったくの別物だ。
フランス国内に目を向けると、PSGの地位はもはや比較をするのもバカバカしいほど突出したものになってしまった。カタール資本がクラブを買収した2011年から、PSGの年間支出はフランス国内の他クラブを大きく上回っている。リーグ・アンではPSGが選手獲得と給与に5ユーロ使う間に、2番手のクラブ――たとえばリヨン――は1ユーロしか使っていない計算になる。
ヨーロッパ全体を見ても、同じ土俵に立てるクラブはほんのわずかしか存在しない。それ以外のクラブは、ただ遠くから眺めるしかない。
ほかのチームとの経済的な格差は、ただ大きいだけではなく――もう、埋めることすらできないほどになっている。それが今回のCLのもうひとつの物語なのである。
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