サッカー日本代表と比較検証 現実のワールドカップ優勝候補筆頭、スペインの強さとは? (3ページ目)
一方、森保監督はこれまでクラブで目立った活躍をしていた大迫勇也や鈴木優磨などを招集してこず、不確かな序列を重んじ、従順そうな若手選手や忠誠心の強い長友佑都は招集している。これでは"公平さ"に歪みが出る。GKひとつとっても、本当に今シーズンベストのプレーをしている選手が選ばれているか。その歪みがミスを生むのではないか。代表は、実力、実績を挙げた選手がいるべき場所だ。
日本はスペインと近いキャラクターの選手がいるだけに、本来はモデルとすべきだろう。遠藤航、守田英正、鎌田大地、田中碧はロドリ、ペドリ、ファビアン・ルイス。久保、堂安律がヤマル、三笘薫、中村敬斗がニコ(言うまでもなく、技術の洗練度やスケール度は違うが)。上田綺世や町野修斗も、サム・オモロディオン(ポルト)、オヤルサバルのように周りが点を取るための"潰れ役"には十分すぎる。
しかし、現在の森保ジャパンの3-4-2-1のシステムは選手の適性とマッチしていない。明らかな不具合がある。直近のオーストラリア戦もノッキングを繰り返した。選手の適性に合った戦いを再構築することから始めるべきだ。
機能しないシステムに固執した物差しでは、世界から置き去りにされる。
スペインは、今もしつこくアップデートを繰り返している。センターバックだけを見ても、イニゴ・マルティネス(バルセロナ)が民族的な問題で招集を回避すると、パウ・クバルシ(バルセロナ)、ディーン・ハイセン(ボーンマス→レアル・マドリード)と、10代の有力選手が次々に頭角を現わし、ラウール・アセンシオ(レアル・マドリード)も招集されないほどだ。彼らこそ、堂々と「ワールドカップ優勝」を目標に宣言できる数少ない国だろう。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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