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デンベレ、サラー、ヤマル...識者たちに聞く「今季ヨーロッパサッカーで最も活躍したのは誰か?」 (3ページ目)

【サッカーの概念を塗り替えるデンベレの活躍】

杉山茂樹(スポーツライター)

欧州サッカー今季活躍した選手トップ10 
1位:ウスマン・デンベレ(パリ・サンジェルマン/FW) 
2位:モハメド・サラー(リバプール/FW) 
3位:ラミン・ヤマル(バルセロナ/FW) 
4位:ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード/FW) 
5位:キリアン・エムバペ(レアル・マドリード/FW) 
6位:フビチャ・クバラツヘリア(ナポリ→パリ・サンジェルマン/FW) 
7位:ラフィーニャ(バルセロナ/FW) 
8位:マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/DF) 
9位:アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/DF) 
10位:ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン/MF)

 CLを制したPSGから5人選んだ。デジレ・ドゥエとヌーノ・メンデスも入れたいほどだったが、バランスを重視しして断念した。それほどPSGはよかった。サッカー競技のレベル向上に大貢献する優勝だった。

 いちばんはその左右のウイング、あるいはゼロトップ気味の1トップと多機能性を発揮したデンベレを推す。相手ボールに転じれば、セルティックの前田大然を彷彿とさせる猛スピードのプレッシングで相手の混乱を誘った。この超今日的サッカー選手を擁するチームが欧州一に輝いた。サッカーの概念を塗り替えるデンベレの活躍とPSGの優勝だった。

 6位のクバラツヘリア、先述のドゥエ、さらにはブラッドリー・バルコラもそうだが、PSGのアタッカーはどのポジションもこなす。これに対し、2位のサラーと3位のヤマルは左利きの右ウイングだ。ポジションは決まっている。4位のヴィニシウスしかり。こちらは右利きの左ウイングになるが、どちらか一方しかできないことは、これまで普通だった。そうした概念が崩れたのが今季だった。7位のラフィーニャは両方いける。今日的だ。近い将来、こうした選手は普通の存在になっているものと推測される。

 日本にこの流れはまだ到達していない。三笘薫は左だけ。堂安律、久保建英は右だけだ。両利きの選手を増やせ。筆者が強化技術委員長なら、さっそくそのような通達を各方面に出すだろう。苦手なポジションがない選手がこれからは有利になる。そのほうがサッカーの魅力も増しそうであることを、今季のCLを制したPSGが示唆した格好だ。

 三笘が所属するブライトンもPSG的である。ウインガーで左ウイングしかできない選手は三笘だけ。ヤンクバ・ミンテ、シモン・アディングラは左右をこなす。またジャック・ヒンシェルウッドに至っては、サイドバック、中盤、さらにはセンターフォワードでもプレーする。欧州の2024-25は、時代の変わり目を迎えたシーズンだった。

>>「欧州サッカー活躍した日本人選手トップ10」へつづく

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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