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三笘薫、久保建英、佐野海舟、鈴木彩艶...欧州サッカーで今季活躍した日本人選手をランク付け

欧州サッカー今季活躍した日本人選手トップ10 

 今季の欧州サッカーシーンで奮闘した数多くの日本人選手たち。そのなかで特に活躍が目立ったのは誰だっただろうか。識者3人それぞれにトップ10を選んでもらい、意見を聞いた。

>>前編「デンベレ、サラー...欧州サッカーで今季もっとも活躍した選手は?」

今季日本のサッカーファンからの注目を大いに集めた三笘薫(左)と久保建英(右) photo by Getty Images今季日本のサッカーファンからの注目を大いに集めた三笘薫(左)と久保建英(右) photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

【鈴木彩艶は、日本のGKの歴史を大きく変えた】

中山 淳(サッカージャーナリスト)

欧州サッカー今季活躍した日本人選手トップ10 
1位:三笘薫(ブライトン) 
2位:鈴木彩艶(パルマ) 
3位:南野拓実(モナコ) 
4位:堂安律(フライブルク) 
5位:佐野海舟(マインツ) 
6位:中村敬斗(スタッド・ランス) 
7位:町野修斗(キール) 
8位:久保建英(レアル・ソシエダ) 
9位:前田大然(セルティック) 
10位:田中碧(リーズ)

 今シーズンのヨーロッパサッカーで最も活躍をした日本選手を選ぶなら、ブライトンの三笘薫になる。世界最高峰のプレミアリーグでキャリアハイの10ゴールを叩き出し、ジョアン・ペドロ、ダニー・ウェルベックと並んでチーム内得点王に輝いたことは、三笘自身の進化の証と言える。

 特に今シーズンは左サイドでのドリブル突破に加え、中央エリアでのプレーが目立ち、プレーのバリエーションを増やした印象だ。チームが来季のヨーロッパカップ出場権を逃したとはいえ、ヨーロッパでプレーする日本選手の先頭を走っている。

 セリエAの舞台で正GKとしてシーズンを通して活躍したパルマの鈴木彩艶は、日本のGKの歴史を大きく変えたという意味も含め、高く評価されるべきだろう。過去にもヨーロッパでプレーした日本のGKは存在したが、守備の国イタリアで日本のGKが認められたこと自体がエポックメイキング。今後のキャリアアップは確実で、今夏の動向は要注目だ。

 モナコの南野拓実は、ゴール数こそ昨季を下回ったが、チャンピオンズリーグ(CL)の舞台でも3ゴールを記録してグループフェーズ突破に大きく貢献したほか、来季のCL出場権獲得の原動力となった点を高く評価したい。とりわけ終盤の大一番となったマルセイユ戦とリヨン戦で決めた先制ゴールは、チーム内における南野の存在価値を大きく高めることとなった。

 フライブルクをヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得に導き、自身初の二桁ゴールを記録した堂安律と、ルーキーイヤーながらレギュラーの座を守り続けて持ち前のボール回収力に磨きをかけたマインツの佐野海舟のふたりも、特筆すべき活躍を見せた日本選手として数えられる。堂安は今季の活躍により、ステップアップ移籍の可能性が高まっている。

 中村敬斗と町野修斗は、チームが降格という不運に見舞われたなか、個人としてリーグ戦11ゴールを記録。久保建英もチームが不振に陥ったなかで孤軍奮闘。ゴール数を年々減らしているが、パフォーマンス自体は上々だった。また、CLでの4ゴールも含めて公式戦33ゴールを量産してリーグ年間MVPに輝いたスコットランドの前田大然と、主軸としてリーズのプレミアリーグ昇格に大きく貢献した田中碧も、充実のシーズンを過ごした。

 なお、プレミアリーグ優勝に貢献したリバプールの遠藤航と、同じくFAカップ優勝を果たしたクリスタル・パレスの鎌田大地は、それぞれ価値ある任務を遂行したが、出場時間が少なかったために次点とした。

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

【写真】三笘薫、久保建英ほか 欧州サッカーで輝きを放つ歴代日本人選手『Over The Top』

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