サッカー日本代表のワントップ候補を再検証 エース上田綺世の爆発に期待するしかないのか
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5月15日に発表されるというワールドカップ日本代表。だが、負傷など不確定要素はあるものの、これまでの招集歴などから中核メンバーはほぼ明らかだ。世界レベルでのその実力と現在地をあらためて検証する――。
日本代表を再点検(6)CF編
これまでの日本人フォワードになかったパワーと得点力
上田綺世
小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya
上田綺世(フェイエノールト)は、北中米ワールドカップが集大成になる森保ジャパンのエースFWと言える。
上田は理知的なストライカーで、常にゴールから逆算して考えているし、それが日常になっているからこそ、再現性もある。シュートをパターン化することでゴール数も多くなっている。今シーズン、オランダリーグではゴールを量産し、得点王は確定的だろう。代表でも、終了直前までリードされていた昨年10月のパラグアイ戦では、ピッチに立ってわずか数十秒で同点弾を放り込んでいる。
しかし、上田の能力は得点を取ることだけではない。前線で体を張って、杭を打ち込める。そのキープ力のおかげで味方が押し上げられるし、敵ディフェンスの陣形を崩せる。あるいは、厳しいボールでも収めてファウルを受け、リスタートにつなげる。接戦で、それがどれだけ味方に活力を与えるか。空中戦で競り合い、くさびのパスを受け、裏に走り込んでバックラインと駆け引きをすることで相手を心身ともに消耗させる。それによってチームが優勢になるのだ。
エースストライカーとしての活躍が期待される上田綺世 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA 歴史的な勝利となったブラジル戦(3-2)で、上田はヘディングで豪快にゴールを決めていた。単純な高さだけではなく、マークを外す動きが計算し尽くされていた。伊東純也が蹴った左CKに対して、相手選手の前に素早く入って叩き込んだ。
「動きながらボールを扱えるし、その力強さがあって、チームを前へ引っ張れる」
ヨーロッパのスカウトたちは上田の特性を絶賛しているが、その領域に入っているストライカーは世界でも数えられるほどだろう。
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

