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三笘薫、途中出場で反撃の狼煙&今季8ゴール目 ブライトンは欧州カップ戦が遠のく (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【きれいすぎる崩しからの得点】

 後半30分、三笘が挨拶代わりのドリブルを披露した。左サイドでMFクリスティアン・ノアゴール(デンマーク代表)をかわし、さらに前進を試みたところで、右SBクリストファー・アイエル(ノルウェー代表)に潰された。しかしそのスピード感あふれる滑らかなドリブルは、反撃ムードを高める効果があった。

 惜しいプレーは続く。後半34分。右SBウィーファーから差し込むようなグラインダーのクロスボールに対し、三笘は逆サイドから侵入。スライディングシュートを敢行した。ボールの勢いに押され、左足インサイドの当たりどころが悪く、シュートは枠を超えていったが、可能性のさらなる高まりを感じさせるワンプレーだった。

 10人で戦っているのはどちらのほうか、わからなくなっていた。ブライトンはイケイケムードになっていた。ヒュルツェラー監督はこの間、布陣を4-4-1から4-5-0の0トップスタイルに変更していた。

 後半36分、そのトップの位置に、9番然と現れたのが三笘だった。右サイドでウィーファー、マーチが攻撃のかたちを作ると、中央のジャック・ヒンシェルウッド(U-19イングランド代表)からの裏を突いたスルーパスに三笘が応える。ここに寄こせとヒンシェルウッドにパスコースを要求すると、左に流れながらマークをかい潜り、ゴールの逆サイドに謀ったように流し込んだ。人数が少ない側のチームの攻撃にしては、きれいすぎる崩しだった。

 スコアは2-3で残り時間は8分+アディショナルタイム。ブライトンはさらなる攻勢を仕掛けた。しかし、10人のチームが11人のチームに長い時間、斬るか斬られるかの打ち合いを挑めば、撃ち返されるのは時間の問題だった。

ブレントフォードも捨てがたい魅力を持つ好チームだ。95分、MFマティアス・イエンセン(デンマーク代表)の蹴った右FKをノアゴールに頭で決められ致命的な4点目を奪われるのは、当然の帰結と言えた。

 ブライトンの順位は試合前の10位と変わりないが、CL圏内(4位/マンチェスター・シティ)まで10ポイント差、EL圏内(5位/ノッティンガム・フォレスト)までは9ポイント差に開いた。残り5試合でこの差は絶望的だ。

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