【プレミアリーグ】三笘薫のマンチェスター・シティ戦 アタッカーとして存在感を発揮した3シーン (2ページ目)
【いきなり見せたウイングプレー】
だが、得点はそう簡単に決まるものではない。センターフォワードでさえ2試合に1点決めれば超一流だ。ウインガーがカップ戦を含めて3試合連続ゴールを奪うことは奇跡に近かった。
案の定、その後、得点なしはカップ戦を含めると3試合続く。となれば必然的に、ウインガーとしての出来映えに注目は移る。欧州の採点サイトを眺めれば、前戦フラム戦の三笘の評価は前線4人のなかだけでなく、先発した11人のなかで最も悪かった。ゴールを挙げられないだけでなく、ウインガーとしても見せ場を作れず、貢献度は低いと判断されたようだ。
ところが三笘はマンチェスター・シティ戦の開始3分、いきなり見せ場を作る。左SBアダム・ウェブスター(元U-19イングランド代表)のパスを、ハーフウェイを10メートルほど過ぎた左のライン際で受けた三笘は、迷いなく勝負を挑んだ。間髪入れず、対峙する相手の右SBリコ・ルイス(イングランド代表)に対し、大外のレーンを使いスピード勝負に出た。
2タッチ目で後ろ足となる右足の内側でボールを10メートルほど押し、動き出しのタイミングが送れたリコ・ルイスに走り勝つ。3タッチ目でさらに前進し、相手の右CBアブドゥコディル・フサノフ(ウズベキスタン代表)がカバーに入る直前、自身の4タッチ目をマイナスの折り返しとした。ゴール前に飛び込んだジョアン・ペドロ(ブラジル代表)にはわずかに合わず、惜しくゴールはならなかったが、目の覚めるようなウイングプレーであることに間違いはなかった。
ここ10試合、対峙するマーカーを縦に抜けなかった大きな理由として挙げられるのが、相手の逆を取る動きだ。前後にズラすことができない。ボールを運ぶ後ろ足(右足)の操作も暴れがちで、腰高な印象も抱かせた。
一方、この前半3分のシーンで一番の武器になっていたのはスピードだ。加速力でリコ・ルイスの追随を許さなかった。これは久保にはない魅力だ。三笘のほうがアスリート性は高い。ピッチの真ん中をぶっちぎるようにゴールを奪ったチェルシー戦、サウサンプトン戦のような"ゴールに迫る勢い"では三笘は勝る。
2 / 4