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レアル・ソシエダでプレースタイルを確立した久保建英に、スペイン人記者「日本代表でレギュラーでないのは疑問」 (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【右サイドでプレーするのがベスト】

 久保はサン・セバスティアンで何年もかけてさまざまなチームメイトと競うなかで、いくつかの例外を除きイマノル・アルグアシル監督が常に右サイドで起用してきた。

 選手の資質を最大限に引き出すのが重要であり、久保の場合は右サイドに置くことでそれが可能となる。これにより彼の最大の武器である、ボールをコントロールしながらの斜め方向への仕掛けや、ゴールラインギリギリからのクロス、相手の意表を突いてカットインしてゴールを狙うことができるのだ。

 一方、左サイドでプレーする場合、右サイドのようにカットインからのシュートでプレーを終えられる可能性は低くなる。

 久保はまた、狭いゾーンでプレーするのではなく、広大なスペースがある時に輝く選手だと言える。トップ下にも適応できるだろうが、狭いところで走りながら相手ゴールを狙うスペースを見つけ、素早くパスを出すのは容易ではない。久保はドリブルでボールを運べる特長があるからこそ、右サイドでスタートするのがベストなのだ。そこには能力を最大限に生かすのに十分なスペースがあり、チームメイトとの連係もよりよくなる。

 私はこれまでずっと、その技術力の高さや視野の広さから、久保がすばらしい攻撃的MFとなり、ラ・レアルで同じような身長のダビド・シルバが果たした役割を担えると考えていた。他のポジションでもうまく適応し、チームに貢献できると思っていた。しかしその場合、ラ・レアルは彼が右サイドの低い位置でボールを持った時に提供する、スピードやチェンジ・オブ・ペースを失うことにもなる。

 彼のプレースタイルは非常に爆発的なので、前方のスペースをうまく生かす必要がある。そこがダビド・シルバと異なる点であり、自分の能力を最大限発揮するためには、スペースがないトップ下よりも、やはり右ウイングのほうがいいだろう。

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