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初瀬亮の海外挑戦で心の支えになったもの「兄貴には公立高校に行ってもらったし、家族にはいろんな我慢をしてもらった」

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

シェフィールド・ウェンズデイ
初瀬亮インタビュー(後編)

イングランド2部のシェフィールド・ウェンズデイに移籍した初瀬亮 photo by @WASSHOIイングランド2部のシェフィールド・ウェンズデイに移籍した初瀬亮 photo by @WASSHOIこの記事に関連する写真を見る ヴィッセル神戸で、継続してレギュラーに定着できない状況を受け、2022年のシーズンが終わったあとには、あらためて自身の体を見つめ直し、死に物狂いで自主トレと向き合ったという初瀬亮。その効果が明確にプレーで表現されたのが、2023、2024年だ。

 左サイドバックに定着するなかで、2023年に8アシスト1ゴールの数字を残すと、2024年にも7アシストという記録をマークしてJ1リーグ連覇に貢献を見せる。その過程では、百戦錬磨の先輩選手に大いに刺激を受けた。

「試合に出続けていると、シーズン中はどうしてもコンディション調整を第一に考えがちですけど、僕より上の、(酒井)高徳くんやサコくん(大迫勇也)、ヨッチくん(武藤嘉紀)たちって、もうめちゃめちゃトレーニングをするんです。何ならハードな連戦中でも練習して、ジョギングして、ストレッチして終わり、ではなく、筋トレなどで少し刺激を入れてからクラブハウスをあとにしていました。

 その姿を見て、あるいは話を聞かせてもらって、自分なりの調整方法を見つけられるようになったのも、継続してピッチに立てるようになった理由やと思います。たとえ連戦でも『このタイミングでウエイトのトレーニングを入れれば、疲労が残らんな』とか、理想的に体を動かすために、刺激を入れておくべき体の部位も明確になってきて、それがパフォーマンスにも変わっていった。

 そんなふうに偉大な先輩たちの、まさに"量を質に変える"姿を間近で学べたことは、自分のキャリアにも大きく影響した気がします」

 話を戻そう。

 そうやって自信を膨らませながら、プロキャリアも10年目を数える節目のシーズンに海を渡る決断をした初瀬だったが、契約は難航した。

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