初瀬亮の海外挑戦で心の支えになったもの「兄貴には公立高校に行ってもらったし、家族にはいろんな我慢をしてもらった」 (3ページ目)
すでに登録は終わっていて、いつでも公式戦に出場できる状況だが、公式戦から2カ月ほど離れていたため、監督には「まずは試合を戦うコンディションをしっかり高めてほしい」と伝えられているという。
「あらためてここに身を置いてサッカーをするようになって、海外で戦う厳しさを実感しています。いろんな人に話は聞いていたけど、聞くのと体感するのとでは全然違う。
ロッカーだってJリーグのほうがきれいやし、ピッチコンディションも日本のほうが断然いい。雪が積もってグチャグチャな日はポイントが芝に埋まって足を取られる、みたいなこともしょっちゅうです。そりゃあ、ここでサッカーをしてたら、強くなるわ、と。みんなフィジカルも強いし、技術も高いですしね。その環境で自分は何を示せるのか、毎朝、ワクワクしながら練習場に向かっています」
意識しているのは、ダニー・レール監督にも評価を受けた左右両足のキックといった"自分らしさ"で勝負すること。"自己主張"も不可欠だと考えている。
「正直、今の時点で走力やフィジカルは他の選手より足りていないと思ってます。ただ、技術のところ、キックの精度では誰にも負けていないと自負しているので。監督にも、クロスボールの質や、ビルドアップ時に相手の守備をかいくぐるプレーは求められているからこそ、自分の強みで勝負していこうと思っています」
通訳はあえて、つけていない。日々、自分にはどんなプレーができて、どんなプレーをしたいのかを、自分でチームメイトに伝えていくことに気持ちを注いでいる。
「こっち来てすぐの練習ではボールが出てこなかったりもしたけど、そこで『出せや!』ってキレてからは(笑)、普通にパスをもらえるようになりました。僕は、そこまで流暢に英語を話せるわけではないので、感情を露わにする場面では日本語でまくし立てているんですけど、意外とそれが効果的です(笑)」
あとは、わからないことをわからないままで放置しないことも、自分に課しているという。
「練習参加の時から、戦術ミーティングなどでわからないこと、理解できないことがあったら、そのつど、監督に直接、聞きに行っています。それですべてが解決するとは思っていないし、僕の語学力を伸ばさなアカンのは間違いないけど、そうやって気持ちの面で縮こまらないのは、すごく大事やと思うから。
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