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南野拓実の高い貢献度、前田大然の神出鬼没の動き チャンピオンズリーグ(CL)日本人選手総括

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 新しいレギュレーションで実施されている今季のチャンピオンズリーグ(CL)。リーグフェーズ上位24チームの9位から24位までの16チームが決勝トーナメント進出を懸けて争うプレーオフも、これまでにはなかった新しい試みだった。

 CLの決勝トーナメントを戦ってこそ一流の証。選手としてのステイタスが代表チームでの活躍よりCLでの活躍に移行した感のあるいま、クラブにとってはもとより、選手にとっても絶対に負けられない戦いとなる。日本人選手も例外ではない。

 日本人選手が所属するクラブでリーグフェーズでの脱落が決まったのはシュツットガルト(チェイス・アンリ)、ザルツブルク(川村拓夢)の2チーム。逆に8位以内に入り、すでに決勝トーナメント進出を決めているチームはリバプール(遠藤航)、アーセナル(冨安健洋)だ。

 16強入りの8枠を懸けたこのプレーオフには、以下の6人の日本人が挑んでいた。伊藤洋輝(バイエルン)、上田綺世(フェイエノールト)、前田大然、旗手怜央(セルティック)、南野拓実(モナコ)、守田英正(スポルティング)。

 このうち通過できなかったのは前田、旗手、南野、守田の4人。伊藤所属のバイエルンは決勝トーナメント1回戦でアトレティコ・マドリードかレバークーゼンと、上田所属のフェイエノールトはインテルかアーセナルと対戦する(抽選は2月21日)。

ベンフィカ戦のセカンドレグでゴールを決めた南野拓実(モナコ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAベンフィカ戦のセカンドレグでゴールを決めた南野拓実(モナコ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る 伊藤は対セルティック戦の後半33分から、左SBとして交代出場を果たした。記念すべきCLデビュー戦は、同時に欧州屈指の名門、バイエルンでのデビュー戦だった。それは35人目となる日本人チャンピオンズリーガー誕生の瞬間でもあった。シーズン直前に負ったケガから無事に回復。朗報と言わずにはいられない。

 だが、楽観は許されない。バイエルンの左SBは、ベテランのラファエル・ゲレイロ(ポルトガル代表)を筆頭に、セルティック戦で交代出場するや土壇場で決勝弾を決めたアルフォンソ・デービス(カナダ代表)、右SBも兼務するヨシプ・スタニシッチ(クロアチア代表)と人材豊富だ。バイエルンというビッグクラブの激しい競争のなかで、どれほど出場機会を得られるか。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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