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南野拓実の高い貢献度、前田大然の神出鬼没の動き チャンピオンズリーグ(CL)日本人選手総括 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【高い位置でのプレーが板についてきた南野】

 上田は逆に故障で戦線離脱した。ミラン戦のファーストレグでは先発を飾ったものの、後半開始時にその姿はなかった。これまでスタメンを飾っていたサンティアゴ・ヒメネス(メキシコ代表)が今冬のマーケットでミランに移籍。せっかく巡ってきたチャンスを故障でフイにした格好だ。エースストライカーを奪われた先のミランに対してチームは勝利。まさに値千金の勝利を飾り、万々歳の成果を得たが、上田は蚊帳の外に置かれてしまった。決勝トーナメント1回戦には間に合いそうにないという話だ。

 故障の話を続ければ、ドルトムントに敗れたスポルティングの守田も、セカンドレグはベンチ外となった。日本代表では「守田のチーム」と言われるまでになり、クラブでもさらなる飛躍が期待された今季だったが、そうはならなかった。守田が万全ではない日本代表にどんな影響が生じるかも気になる。

 一方で、11月の日本代表戦で故障した南野は、無事に復帰。ベンフィカと対戦したプレーオフでは、ファーストレグこそ途中出場に甘んじたものの、セカンドレグではスタメン出場。ゴールを決めるなど、好印象を残した。

 ポジションは5-3-2の2トップの一角。これまで4-2-3-1の1トップ下を定位置としてきた南野にとって、ベンフィカ戦のセカンドレグは、よりアタッカー色の強いポジションでのプレーとなった。MFかFWかと言えば、これまでMF的だった南野だが、高い位置での動きがすっかり板につき、アタッカーらしくなっている。

 試合は、ファーストレグを0-1で落としたモナコが、試合を終始リードする展開となった。ベンフィカに決勝弾を奪われたのは後半39分。それまで最前線で走り回った南野が、ベンチに下がったのはその3分後だった。その出場時間の長さに貢献度の高さがうかがい知れた。

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