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三笘薫も久保建英も眼中なし 144億円積んでも袖にされた金満サウジ移籍のブーム終焉も近い (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【堂安律が放った痛烈なひと言】

 知名度の高いスーパースターではなく、将来性の豊かな若者を──。

 この1、2年、SPLは移籍方針を大きく変更した。バルセロナBのウナイ・エルナンデス(20歳)をアル・イテハドが、セルタのガブリ・ベイガ(22歳)をアル・アハリが引き抜いた。

 今後も同じようなケースが起きるだろう。ファイナンシャル・フェアプレーに抵触しそうなクラブが、国内のライバルよりもSPLを選ぶかもしれない。

 だが、志の高いステップアップを目論むヤングガンズは、よりハイレベルのリーグを選択する。オスカルのような例は、極めて稀だ。

 ヨーロッパサッカー界において、SPLが「真の脅威」となるリスクはそれほど大きくない。北中米ワールドカップ予選でサウジアラビアを破ったあと、日本代表MF堂安律は次のように語っている。

「ヨーロッパのトップリーグでプレーしている俺たちが、SPLの選手に1対1で負けるわけにはいきません」

 その心意気やよし。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

【写真】ワールドサッカー「新」スター名鑑

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