古橋亨梧のフランスデビュー低評価を悲観する必要なし 2026年ワールドカップに向けて移籍のタイミングは悪くない (4ページ目)
【勝負はフランスに慣れてきた2年目】
ベイェ監督が「彼(古橋)にとっては新しい文化であり、新しいフットボールだ」とコメントしたように、古橋にとってはまず、リーグ・アンのスタイルに順応することが最初のハードルになるだろう。そのためには、古橋の得点力の源とも言えるチームメイトとのコンビネーションを構築することのみならず、リーグ・アンでは1対1の場面で優位に立つための工夫も避けられない。
いずれにしても、リーグ・アン初年度から活躍した伊東純也(ゲンク→スタッド・ランス/2022年)は別格として、南野拓実(リバプール→モナコ/2022年)や中村敬斗(LASKリンツ→スタッド・ランス/2023年)も本当の意味で順応できたのは2年目だった。そのことを考えれば、古橋も今から焦る必要はない。
今シーズンの残り14試合は、2年目に活躍するための準備期間として捉えてもいい。多くの課題を手にすることが、遠いように見えて実は活躍するための近道なのかもしれない。
ワールドカップ本大会は2026年6月。筋書きどおりにいけば、今回の移籍はタイミングとして最高だった、と言える日が来るはずだ。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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