古橋亨梧のフランスデビュー低評価を悲観する必要なし 2026年ワールドカップに向けて移籍のタイミングは悪くない (2ページ目)
【古橋にとって監督交代は青天の霹靂】
もっとも、古橋の加入が発表された2月3日からデビュー戦までにチーム内で起こった超ドタバタ劇を考えれば、そのなかで即フィットすることなどほぼ不可能だったと言っても過言ではないだろう。それほど、今シーズンのレンヌは迷走中だ。
今シーズンのレンヌは、ヨーロッパカップ出場権獲得を目標としていた。だが、夏の移籍市場で大幅な戦力の入れ替えを断行し、流れが大きく変わった。
指揮を執っていたジュリアン・シュテファン監督はプレシーズンの準備期間を台無しにされた状態でチームの再構築を迫られ、なかなか最適解が見つけられずに昨年11月に解任の憂き目に。苦しい立場となったフロントは、かつてマルセイユで結果を残したこともあるアルゼンチンの名将ホルヘ・サンパオリを招聘した。
ところが、期待されたサンパオリもチームを改善させることができず、冬の移籍期間で再び戦力の入れ替えに着手し始めた。古橋も期待を寄せられて獲得した戦力のひとりだったわけだが、しかしそんな矢先、2月6日にサンパオリの解任とハビブ・ベイェ新監督の就任が決定したのである。
この一連の騒動は、サンパオリ前監督の下、新天地でトレーニングに励んでいた古橋にとって青天の霹靂だったに違いない。それはほかのチームメイトも同じで、今回のストラスブール戦はその混乱状態で迎えた試合だったことを考えれば、チーム全体が低調だったのも当然のこと。そんななか、勝ち点3を奪えたことは奇跡的だった。
今シーズンからスポーツ・ダイレクターに就任したフレデリック・マッサーラの補強戦略の問題は置いておくとして、現状、チームはこれからベイェ監督の下でゼロからのチーム作りがスタートする状況にある。それを考えれば、古橋のデビュー戦のパフォーマンスは、楽観できるものではないにせよ、必要以上に悲観することもないだろう。
現役時代はマルセイユの主軸DF(右SB)として当時ル・マンで活躍していた元日本代表の松井大輔とも対戦したベイェ監督も、古橋のパフォーマンスについては前線でボールを受けるための動きと、献身的な守備について一定の評価を与えていた。
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