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鈴木彩艶のビッグクラブ移籍が現実的に... プレミアリーグの名門チーム参戦なら大型契約も? (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【今冬の移籍は考えられない理由】

 マンチェスター・Cに関しては、妄想の類(たぐい)である。一時、エデルソンにサウジアラビアのアル・ヒラルが急接近と言われたため、一部メディアがその延長戦上に鈴木を無理やり結びつけただけだ。

 むしろ、チェルシーが現実的だ。レギュラーGKのロベルト・サンチェスは軽率なミスが目立ち、最終ラインに安定感をもたらしていない。昨年夏にビジャレアルから移籍してきたフィリップ・ヨルゲンセンがプレミアリーグに馴染めないため、エンツォ・マレスカ監督はやむを得ない選択としてサンチェスを起用しているだけだ。

 いい意味でも悪い意味でも、チェルシーはビジネスライクなクラブだ。アジアのマーケットを意識した鈴木獲得は十分に考えられる。ただ問題は、サンチェスとの契約が2030年6月まで残っていることだ。長期契約を解除する場合は莫大な違約金が発生し、交渉に支障をきたす。現場が鈴木を欲しても、金銭的に難しくなる

 金銭的なトラブルを避けるなら、バイエルンがベストだ。健全経営を務めるブンデスリーガが天文学的な移籍金を全否定しているからだ。なおかつ、長い間バイエルンを支えたマヌエル・ノイアーが38歳という年齢から衰えを隠せず、新GKの補強は急務になっている。

 衛星テレビ局『sky sports』は「ケルンに所属するドイツ21歳以下代表のヨナス・ウルビヒと合意」と報じているものの、バイエルン側が提示したオファーは2度も断られたという。鈴木に方向転換するのだろうか。

 今冬の移籍は考えられない。GKはデリケートなポジションだけに、シーズン中に手をつけるのはリスクが大きすぎる。

 だが、半年後には「ZION SUZUKI」の名が移籍市場を賑わせるに違いない。

 噂が現実となり、世界的な名門が名乗りを挙げるのか、ポゼッションできるGKを欲するウェストハムやニューカッスルなど、プレミアリーグの古豪が鈴木を競り落とすのか。ほんのひと昔前までは見向きもされなかった日本人のGKをめぐり、悲喜こもごもの情報戦が繰り広げられる。

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