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鈴木彩艶のビッグクラブ移籍が現実的に... プレミアリーグの名門チーム参戦なら大型契約も? (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【GK大国イタリアで認められた実力】

 さて、鈴木はセリエAに挑む14人目の日本人であると同時に、GKとしては初参戦。1994年、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)からジェノアに移籍した三浦知良を筆頭に、中村俊輔(レッジーナ)、本田圭佑(ミラン)、鎌田大地(ラツィオ)など、13人がフィールドプレーヤーだ。

 ローマに18シーズンぶりのスクデットをもたらした中田英寿、古豪インテルでキャプテンを務めた長友佑都、ボローニャで守備力の高さが絶賛された冨安健洋のような成功例はあるものの、失敗例も少なくない。柳沢敦(サンプドリア、メッシーナ)や小笠原満男(メッシーナ)、大黒将志(トリノ)は周囲の期待を完全に裏切った。

 したがって、日本人は疑問視される。それでも鈴木は歴史のプレッシャーなど意に介さず、首脳陣とサポーターの信頼を早々と勝ち取った。21節現在、パルマは降格圏と1ポイント差の16位と苦戦しているが、鈴木のビッグセーブがなければより悲劇的な状況に陥っていただろう。

 前半戦終了時点で記録したペナルティボックス内のセーブ数は、セリエAトップの46回。1月19日のヴェネツィア戦では、およそ70メートルにも及ぶロングフィードでエリアを挽回するなど、攻撃面でも貢献度大だ。

 そんな活躍を見せる鈴木を、ヨーロッパのビッグクラブが放っておくはずがない。

 あくまでも噂である。移籍市場は噂がひとり歩きし、いつの間にか現実になるケースもある怖い舞台とはいえ、具体的な交渉は一切ない。

 ただ、「スズキに興味津々」とされるクラブがマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、チェルシー、バイエルンと、すべてワールドワイドな知名度を誇る名門ばかりだ。ひょっとして......と、ウキウキしてくる。

 特にマンチェスター・Uは、一昨年の夏に続く再燃だ。インテルから加入後のおよそ1年半で、正GKアンドレ・オナナは失点に直結するミスが10回。前任者のデ・ヘアは12シーズンで17回。オナナを追放したくもなる。

 クロスの目測を誤ったり、真正面のシュートをファンブルしたり、不安定このうえない。自信を失ったのか、近頃は守備範囲まで極端に狭くなってきた。

 首脳陣がオナナに見切りをつけ、新GKのひとりに鈴木をリストアップしている可能性も、あながち否定できない。

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