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久保建英の「連係力」がさく裂 アヤックス戦1G1Aの活躍に地元紙が「魔法」と激賞 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【ゴールに結びついた「連係力」】

 久保は連係の渦の中心になることで、簡単にチャンスを作り出していた。サッカーでは、コンビネーションを作るほうが、効率的な攻撃を生み出せる。そこでのスキル、ビジョンこそ、"センス"と言われる。

 その一方、久保は「個」の強さも見せつけている。

 前半アディショナルタイム、自陣でオヤルサバルからのパスを引き取ると、猛然とドリブルをスタート。久保番だったヨレル・ハトに、悪夢をよぎらせた。結局、折り返しのパスがブロックされたところで放った右足シュートは外れたが、「ゴールに向かう手段はいくらでもある」と敵を精神的に追い込んでいる。

 後半の久保は、心理戦でハトを凌駕していた。オランダ代表左サイドバックを、ものともしていない。縦への突破から右足での決定的なクロスなど、警戒心から飛び込めなくなった相手をなぶるようだった。

 昨年10月、サン・セバスティアンでの取材で、ラ・レアルでレジェンドと言われる元選手たちに、久保のプレーの特徴について聞いているが、共通していたのは「連係力の高さ」だった。

「周りを使い、使われるコンビネーション」

 それは、誰しもに与えられているわけではない。このセンスを持っていることで、限りなく選択肢が増える。だからこそ、久保の個人での突破にも、相手は後手に回らざるを得ない。必然として、ディフェンスにパニックが起こるのだ。

 アヤックス戦は、その点で象徴的だった。

 66分、久保は右サイドバックで途中出場したホン・アランブルとの素早いパス交換で右サイドを突破し、内側を攻略。ハトを置き去りにし、左足での精度の高いクロスを、ファーサイドから飛び込んできたアンデル・バレネチェアに合わせ、先制に成功している。

 その連係力を思い知らせていたことが、冒頭のダメ押しゴールに結びついた。

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