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エムバペはなぜフランス代表に招集されなかったのか 事情通が明かす本当の理由 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【アンチェロッティも言及】

 今シーズンのレアル・マドリードは、引退したトニ・クロースを除けば、ほぼそのまま主力を温存した。そこにエムバペを加えたことでチームの可能性はさらに高まったはずだった。

 しかし、実際はエムバペが来てからのレアル・マドリードは不振に陥っている。バルセロナとのエル・クラシコで4-0という屈辱的な大敗を喫し、CLでは4試合ですでに2敗(リール、ミラン)している。ケガ人も多い。カルロ・アンチェロッティ監督やフロレンティーノ・ペレス会長でさえ、状況は良くないと認めているほどだ。

 エムバペが置かれている状況が深刻なのは、ペレス会長とアンチェロッティ監督が、相次いで彼について公に語ったことからもわかる。現在のエムバペの状態には説明が必要なのだ。

 ペレス会長は、基本的にはエムバペを気に入っており、「彼が適応するのは簡単なことではない。レアル・マドリードのようなチームが求める高いレベルの結果に応えるには、時間が必要だ」と、擁護している。時間の問題であると語ったわけだが、彼も少々待ちくたびれているようだ。ボータルサイト『フットボール・エスパーニャ』が伝えるところによると、ペレス会長はアンチェロッティに「正直、エムバペには少しがっかりしている」と漏らしたという。

 アンチェロッティもエムバペに言及したが、これも普通のことではない。なぜなら、アンチェロッティは選手個人について語ることを好まないからだ。

「エムバペが問題を抱えていることは、チーム全体の問題でもある。彼は失望し、不安を感じている。だがこれはヴィニシウス(・ジュニオール)にも、ロドリゴにも、(ジュード・)ベリンガムにも言えることだ。みんな調子はマックスではない。今は誰にとっても難しい時期だ」

 また、エムバペの課題についてはこう語っている。

「プレッシングをもっと効果的にしなければならない。攻撃でボールを失った後のリカバリーも大事だ。特に最後のタッチのミスはもう許されない。エムバペだけでなく、他のみんなもそうだが、もっと正確にプレーすべきだ」

 そしてアンチェロッティは、「エムバペは練習では頑張っている」と言い、彼が前向きな姿勢を保つ限り「調子は改善されると信じている」と締めくくった。

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