久保建英、王者レアル・マドリードを相手に「あと一歩」今季ベストゲームで存在感 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 欧州のビッグクラブは、各国の王者たちでひと括りにされるが、レアル・マドリードは王者の中の王者である。チャンピオンズリーグ優勝回数は断トツの15回(ちなみに2位がミランの7回)。リバプールも、マンチェスター・ユナイテッドも、バイエルンも、ユベントスも、王者の風格としては足元にも及ばないのである。

「マドリードでプレーすることは簡単ではない」

 ラ・レアルでプロキャリアをスタートさせ、リバプール、レアル・マドリード、バイエルンでプレーしたシャビ・アロンソの言葉は重い。

「周りの要求はすごく高い。他のクラブと違って、どれだけ勝っても満足してもらえることなんてないからね。重い責任を背負い続けながらプレーできるか。そのメンタリティが必要だ」

 久保は、レアル・マドリードを相手にあと一歩まで迫った。それはレアル・マドリード以外のビッグクラブなら届いた一撃かもしれない。彼が"そこまで来ている"ということが、日本サッカーの希望だ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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