ブンデスリーガ開幕節で存在感を見せた日本人選手は? 現地での評価をレポート (2ページ目)

  • 林遼平●取材・文 text by Hayashi Ryohei

【初のブンデスリーガはほろ苦デビューに】

佐野海舟(マインツ/MF)

『キッカー』の採点は「3.5」となっていますが、個人的に見ても「ほろ苦デビュー」という言葉が合うような試合展開だったと思います。

 佐野選手はダブルボランチの片方に入ってプレーしていましたけど、本人も試合後「チームの力になれなかったので、ただただ悔しい」と。彼はボール奪取が得意な選手で、そこから前につなげていくプレーがうまい印象ですが、そこに関しても「今日はセカンドボールを全然拾えなかったし、自分の持ち味だったり求められているそこの部分が単純に出せなかった。攻撃の部分でももっとうまく関わることができたのかなと思います」と話していて、本人的にも自分の長所を出せなかったと感じているみたいです。

 失点場面も(相手に)食いつきすぎてしまったと。ただ、ああいうところでミドルを一発で決めてくるのは、やはりJリーグでも感じない感覚だとも話していて、それがヨーロッパに来て初めてのリーグ戦で経験できたことで今後より警戒心を強めるでしょう。そういう意味では失点に絡んでしまいましたが、今後に向けて勉強になるプレーだったと思います。

 やはりヨーロッパには強烈なミドルシュートを決めてくる選手が多いので、いかに前を向かせないかみたいなところは大事になってきます。今後はああいったターンをしてくるだろうといったことが頭にあるでしょうし、そういうプレーをひとつ経験したのをいい方向に捉えたほうがいいと思います。

 攻撃面に関しては、もうひとりのボランチであるナディーム・アミリが中心となってボールを動かしていくところがあるので、佐野選手はもう一個前まで入っていこうとする動きが見られました。前半にもFWがボールを受けたところで、その背後に入ってクロスからCKを取るシーンがありましたけど、そういう場面をもっと増やしていきたいとも言っていました。

 今季の目標については「自分のなかでは今まであまり前に行くようなタイプではなかったし、求められてるところは守備のところだったけど、このチームでは前に出ていくことが求められてる。そうなるとやはりゴールが必要になってくると思うし、アシストを含めて取れるだけ取らないといけない」と話をしています。その点でもボールを奪うところだけでなく、攻撃で結果を残すことが求められていくんだろうなと感じています。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る