久保建英の開幕戦に現地紙は高評価 変革期のチームにあって攻撃の旗手として期待 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 終盤、ラ・レアルはたくさんのカードを切ったが、スローインのボールを奪われて追加点を喫するなど、プレーは悪化した。ふたりの注目の新加入レフティー、ルカ・スシッチとセルヒオ・ゴメスは評価を下すほどのプレーはなかった。交代出場したスビメンディが数本のパスで違いを見せ、わずかに試合を活性化させつつ、終了間際には意地の1点を叩き込んだが......。

 一昨シーズン、昨シーズンと比べると、ラ・レアルは変革期にある。完成度は低く、懸案だったストライカーも確保できていない。9月の代表戦明けまでは不安定な状況か。

 しかし、久保自身の状態は悪くない。調整が遅れているチームでも、存在感は光った。セルヒオ・ゴメスやスシッチというレフティーとの相性は悪いはずはなく、新たに作り出されるコンビネーションに期待がかかる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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