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ユーロ2024優勝候補の呼び声高いイングランド ここまで2戦がピリッとしないのはなぜか? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 交代枠を使いきれない理由、同じメンバーで戦ってしまう理由は、その余裕がないか、控えの戦力が著しく落ちるかのどちらかだ。試合は2戦とも接戦だった。怖くて代えられなかった。これがサウスゲート監督の本音だろう。ブックメーカーから1番人気に推されている監督にのしかかる、無言のプレッシャーかもしれない。

 イングランドが3戦目を戦うスロベニアも、セルビア、デンマークと実力的に同等のチームだ。楽勝ムードにはない。すでに勝ち点3を挙げているので、ベスト16入りは問題ないが、イングランドには使っていない選手が多くいるので、ターンオーバーをすれば諸々の計算が立ちにくくなる。だが、繰り返すが、監督が心配性になるあまりその追求を怠れば、選択肢は増えない。優勝の可能性は減る。先発メンバーと交代メンバー、とりわけ左サイドに注視したい。

 今後の可能性をどれだけ残しながらグループリーグを通過するか。イングランドはもちろん、他のチームにも同じ視線を持ちながらグループリーグ3巡目の戦いを観戦したい。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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