EURO2012はスペインが快挙達成、2016はポルトガルが番狂わせ...名場面は続く (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 そんななかでのポルトガルの優勝は、番狂わせと言ってよかった。振り返ればポルトガルはグループリーグの3戦をすべて引き分け、勝ち点3で3位通過していた。6グループの各3位チームのなかでポルトガルは3番目の成績だった。それは決勝トーナメント1回戦に駒を進めた16チーム中、15番目に相当する。ギリギリで通過したにもかかわらず、尻上がりに調子を上げ優勝した。決勝戦(=7試合目)から逆算するようなフェルナンド・サントス監督の采配に感心せずにはいられなかった。

 多くの選手を使い、戦術的交代を駆使しながら思慮深く勝ち上がっていくポルトガルの姿を学ばせたくなる日本人監督は多々存在する。指導者ライセンスの講習会でもお手本となるような采配だった。

プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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