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鎌田大地とラツィオに何が起きたのか ガゼッタ紙記者が伝える「破談」の舞台裏 (2ページ目)

  • フランチェスコ・ピエトレッラ●文 text by Francesco Pietrella(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【トゥドールも今後を思案中】

 鎌田は今シーズン、ラツィオで38試合(チャンピオンズリーグ、コッパ・イタリアを含む)に出場し、2ゴール2アシストを記録している。前監督マウリツィオ・サッリのもとでは控えだったが、トゥドールが来てからスタメンに定着した。

 4月の終わり近くには、鎌田はラツィオ残留についてこのように語っていた。

「やっとチームの力になれるようになって、本当にうれしい。ドイツでもやはりこんなプレーをしていた。だから今はとても居心地がいい。監督が僕を信頼してくれて、僕のプレーをよく見てくれているのを感じている。幸せだ。チームにも慣れて、これからいろいろなことができるはずだ」

 彼の言葉すべてが、ラツィオに残ることを示していた。しかし、彼は最後にプロジェクトを変えたのだ。

 ラツィオのSDアンジェロ・ファビアーニはこの鎌田側のこの対応について、クラブの公式チャンネル『ラツィオ・スタイル・チャンネル』で激しい口調でこう述べている。

「更新の期限は昨日で切れたが、彼らは解約金についての主張を繰り返した。私は誰の脅しも受けない。恐喝には屈しない。だから私は彼らにこう言った。『出口はあそこです。ご不満なら自由に出て行ってください』とね。もし私が、彼らのたび重なる要求を呑んでいたら、結局、ラツィオは100ユーロで彼を他のクラブに渡すことになっていたろう。これは到底受け入れられない条件だ。ラツィオに来る者はラツィオのプロジェクトを尊重し、ラツィオを愛する者でなければならない。代理人も選手もそのことを理解すべきだ」

「恐喝」などという強い言葉を使うのは、かなり立腹している証拠だろう。

 一方、トゥドール監督はどうだろうか。サッリの下で干されていた鎌田をスタメンとして使い、自らの3-4-2-1のカギとなるポジションを与え、ゲームを創造するレジスタの役割を任せた。つまりトゥドールは鎌田を中心としてのチーム作りを考えていた。

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