遠藤保仁がCL決勝を深掘り解説&ズバリ結果予想 レアル・マドリード優勢も「ドルトムント勝っちゃえ」の雰囲気も (2ページ目)

  • PR ハル飯田●文 text by Haru Iida
  • 安田健示●撮影 photo by Yasuda Kenji

――今季のレアル・マドリードはGK以外でも決勝のスタメン予想が難しいほどの選手層の厚さです。

 ロドリゴ、ヴィニシウス、ベリンガムの前3人が点を獲れますし、中盤ではフェデリコ・バルベルデも積極的にフィニッシュに絡めます。ホセルも途中から入ってしっかり結果を出せるベテランらしい働きで、本当に誰が出てもという状態です。監督がうまくマネジメントしているのかなとも思いますし、若い選手にのびのび自由にやらせているという印象も受けますね。

 レアル・マドリードが相手だと、どのチームも自陣に構えてくるので、ドリブルでかわせる選手はかなり有効ですし、理にかなった配置ですよね。それで止められるなら前線をワイドに広げて中央に高さのあるホセルを入れてと、柔軟に戦えています。

――リードされる展開でも簡単にクロスを上げず、新しいスタイルの確立に成功している印象です。

 以前はクリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマという個にかなり特化したチームで、前線の数人でゴリっと攻めるようなイメージでしたけど、今は高さもそこまでないなかで、グラウンダーのパスで崩していくイメージですよね。ショートカウンターで仕留めることもできて、どこからでも点を獲れるチームになっています。

 簡単に放り込んでも点は獲れないというのがチームに浸透しているんでしょう。それでも勝ち上がっているように、トーナメント用の戦いも状況に合わせてできて、何より「勝ち切れる」という絶対的な自信があるように感じます。

ドルトムントの勝ち筋とは

――対するのはブンデスリーガ5位と波に乗り切れないシーズンながら、CLを勝ち上がってきたドルトムントです。大ベテランのマルコ・ロイスが所属ラストマッチになることがすでに発表されており、一致団結して頂点を狙っています。

 ドルトムントは国内のリーグ戦ではボールを握って戦える試合もあるでしょうが、CLでの戦い方はしっかりブロックを作って「まずは失点しないぞ」という作戦に見えます。準決勝(PSG戦)では何本もポストとバーに救われた展開だったので、運も味方したんじゃないかと。グループステージも一番きつい組(PSG、ミラン、ニューカッスル)だったなかで、失礼な言い方かもしれませんが、誰も予想しなかったところからよく上がってきたという印象です。

 やはりドルトムントのサポーターはかなり熱狂的ですから、ホームで後押しを受けられたのはかなり大きかったんじゃないかなと思います。決勝は中立国(今シーズンはイギリス)開催ですから、そこでどれだけ力を発揮できるか注目です。あとはずっとチームを支えてきたロイスのラストマッチというのも、選手フロントを含めて「なんとしても」という気持ちでプラスに働くでしょう。

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