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岡崎慎司は第二の人生も「ダイビングヘッド」で サッカー人生が詰まった現役最後の51分間 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【座右の銘を胸に、次は欧州で指導者の道へ】

 日本人の若手とプレーができてうれしかったと言うのは意外にも感じられたが、いかに欧州の厳しい環境で孤軍奮闘してきたか、そのことが逆説的に伝わってくる。最後に新しい仲間を得て、次世代への継続性をうれしく思う岡崎の人柄も感じられた。

左から山本理仁、伊藤涼太郎、岡崎、藤田譲瑠チマ、鈴木彩艶 photo by Watanabe Koji左から山本理仁、伊藤涼太郎、岡崎、藤田譲瑠チマ、鈴木彩艶 photo by Watanabe Kojiこの記事に関連する写真を見る これまでも、この日の取材中も、ひざの痛みを繰り返し口にした岡崎だったが、もうプレーしないことで、ひざの痛みからは解放される。そのことにホッとしているのか、それとも現役を終える寂しさを感じているのか。うーんと考え、岡崎はこう答えた。

「選手が特別っていうのは、たぶん、変わらないです」

 文字どおり"選ばれた人"にのみ許された、極めて限定的な時間の尊さは、岡崎自身も感じている。

「選手生活ってやっぱり特別だったなと思います。なんて言うんすかね......もう終わりかとか、寂しい気持ちは自分もありますけど。それよりも選手では辿り着けなかったところに、次のキャリアで辿り着きたいという思いのほうが強い。

 ホッとしているというよりは、ある意味、次にもっとなんか......そうですね、もっと上に行きたいというほうが強いですね。今の気持ちとしては。ホッとしているというよりは、またスタートだって気持ちですね」

 話しながら、次のスタートへの思いを整理しているようだった。

 印象的だったのは、取材後に行なわれた日本人ファン向けのイベントでの言葉だった。座右の銘を問われ、いつものフレーズに、自身の人生とこれからを重ねた。

「『一生ダイビングヘッド』という、自分の座右の銘があって。それは、小学校のコーチがとんでもないコーチで、どんなボールが来てもヘディングしろって言われるんですけど、その恩師がくれた言葉で。

 なにが気に入っているかというと、ダイビングヘッドをするというのは、自分の特徴のひとつではあるんですけど、ダイビングヘッドでゴールを決める──それだけじゃなくて、やっぱり飛び込んでみると、飛び込んでいったところでいろんなことがわかって、自分が成長していくというのは、自分の人生とほぼ一緒。

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