「鎌田大地を巡るすべてが残留の方向を示している」ラツィオ番記者が現地から最新レポート (3ページ目)

  • フランチェスコ・ピエトレッラ●文 text by Francesco Pietrella(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【タイムリミットは5月15日】

 噂によるとトゥドールはロティート会長との最初のミーティングでこう言ったらしい。

「会長、鎌田は先発です」

 スタメンを選ぶにも、最初に鎌田を据え、そして他の選手を配するという感じだ。鎌田がヴェローナ戦で最高のプレーを見せた時には、こうも言っていた。

「たぶん以前のプレースタイルは、今に比べると彼に合っていなかったのだろう。私にとって、彼はすばらしい選手だ。どこでもプレーできるし、メンタリティーは10点満点だ。まるで頭のなかにコンピューターが入っているようだ。もし鎌田がたくさんいたら、すべての監督は、ひとりは自分のチームにほしいと思うだろうね。まあ私の場合は、あと10人、鎌田がほしいが」

 最高の賛辞であり、これを聞いた鎌田が奮起しないわけはないだろう。

 いずれにせよ、5月15日までに、鎌田は今後について決断しなければならない。

 5月に入って、クラブは鎌田を事務所に呼び出し、ローマでの生活はどうか、そして今後はどうしたいかを率直に尋ねた。鎌田は決断するまでにもう少し時間がほしい様子だったが、ラツィオもそう待ってはいられない。その時点でチームは期限を区切った。

 5月15日までに、鎌田はラツィオに残留するかどうか、そして残留するならどのような形でするかを伝えること。テーブルの上には、ラツィオの用意した1シーズンあたり約300万ユーロ(約5億円)の3年契約が乗っている(先述のように、鎌田の意向はやはりまずは1年契約のようだが)。

 鎌田自身はこう言っている。

「ようやくチームの力になれて、本当にうれしい。ドイツでもこんなプレーをしていたので、今はとても居心地がいい。自分だけでなく、ラツィオの選手たちとも、とても良くなってきている。次の移籍先としていくつかのクラブの名前が挙がっているが、まだ何も決めてはいない。今は、監督が僕を信頼し、気にかけていてくれると感じているし、いろいろな意味で彼のサッカーは僕に合っていると思う」

 決断の時は近い。

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