久保建英との対決が運命の一戦に? バルサ監督退任撤回のシャビに降りかかる試練 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 しかし、そのプラスとマイナスを足し引きした場合、やはりシャビの功績は大きい。

「バルサはラ・マシア」

 それが中興の祖であるヨハン・クライフの遺訓だけに、シャビ以外の適任者はめどが立たない。

 5月13日、バルサは本拠地に久保建英を擁するレアル・ソシエダを迎える。ラ・マシア出身の久保との対決は、現地でもクローズアップされるだろう。

「同じカタルーニャのジローナの後塵を拝することはあってはならない」

 その声は根強いが、自尊心の問題だけでなく、来季のスペインスーパーカップ出場もかかっている(ラ・リーガ優勝のレアル・マドリード、2位のチーム、スペイン国王杯決勝進出のアスレティック・ビルバオ、マジョルカが参加)。最低でも700万ユーロ(約12億円)の収入が見込める大会を逃すわけにはいかない。ラ・リーガ2位奪還は至上命題なのだ。

 シャビ・バルサは試練に挑む。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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