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ネイマールにも余波 性的暴行で懲役4年半の判決が下ったダニエウ・アウベスのいま (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 これに対し被害者側の弁護士はこんな声明を発表している。

「財力のある者は、罪もまた金で軽減できてしまう。そんな前例になることを懸念している」

 ちなみに被害者側は金銭を要求してはおらず、受け取りも拒否。「金がほしいのではなく、正義がほしい」と主張している。

 ダニ・アウベスはサッカー界で有名なクリストバル・マルテルという弁護士を雇っていた。メッシが脱税で告発された際やネイマールの移籍問題で彼らを擁護した経験もある人物だ。だが、ころころ証言を変えるダニ・アウベスを擁護しきれないと感じたのか、彼は10月にはこの件から身を引いた。現在はイネス・グアルディオラという女性弁護士がついている。彼女は判決を不服として控訴、ダニ・アウベスの完全釈放を求めている。すでに13カ月も服役しており、事件当時は泥酔状態だったし、反省もしているというのがその理由だ。

 しかしそんななかでダニ・アウベス側に不利に働く事件が起こった。ダニ・アウベスの母が自身のSNSで、被害者女性の顔をさらしてしまったのだ。これは被害者の保護上も、あってはならないことだ。おまけにそこには彼女を非難するこんなコメントまでついていた。

「現在、彼女は友人たちと夜、出歩いている。本当にトラウマになっているのなら、そんなことできないんじゃない? 結局、彼女の目的は金なのよ」

 写真には女性が友人とクラブにいるところが写っていた。

 今年の3月10日、ダニ・アウベスが刑務所内で自殺を図ったというニュースが飛び交い、ブラジルやスペインでトップニュースとなった。結局、このニュースはフェイクだったが、しかし彼の精神状態が悪いのは確かなようだ。現在は自殺しないように24時間モニターで監視されているという。

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