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ネイマールにも余波 性的暴行で懲役4年半の判決が下ったダニエウ・アウベスのいま (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【泥酔の証拠に酒の領収書を提出】

 だが、事件当夜に化粧室で採集されたダニ・アウベスのDNAのサンプルがあるとわかると、今度は「確かに女性と接触はあったが、直接的な性交渉はしていない」と言い換える。

 しかしその後、女性の体内からも彼のDNAが見つかる。ダニ・アウベスはついに女性と性交渉があったことを認めたが、それは「合意の上であり、被害者の名誉を守るためにこれまではウソをついてきた」と断言した。

 そして現在は第5段階で、「その日は泥酔状態にあったため、自分が何をしたのかがわかっていなかった」と主張している。スペインでは泥酔は心神喪失状態であり責任能力がないとされ、それが認められると刑が軽減される可能性があるのだ。ダニ・アウベスは泥酔の証拠として、その日のクラブで飲んだ酒の領収書などを提出した。

 一方、被害者側は一貫してこう主張している。ダニ・アウベスがまず彼女をVIPエリアに誘い、その後、彼女を化粧室まで追いかけ、そこで彼女に平手打ちを食らわせ、暴行に及んだ、と。

 私がダニ・アウベスと初めて会ったのは2003年のワールドユースでブラジルが優勝した時だった。当時の彼は無名だったが、誰に対しても物おじせず、陽気で、なにより突出したプレーをしていた。実際、大会直後にスペインのセビージャが彼を獲得し、その後バルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマン、サンパウロと、世界のビッグクラブを渡り歩く。

 ピッチのなかだけでなく、外でも目立つのが大好きで、奇抜なファッションがトレードマークだ(自分でもアパレルブランドを持っている)。ニックネームは「マルーコ・ベレーザ(美しきクレイジー)」。楽しいことが大好きで、いつもハッピー、みんながイメージする典型的ブラジル人だ。肝も据わっていて、バルサ時代、相手サポーターにバナナを投げつけられると、なんと彼はそれを食べてしまい、何もなかったかのようにコーナーキックを蹴った。この行動は多くの人に称賛された。

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