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上田綺世、守田英正、堂安律は階段を上るビッグチャンス ELプレーオフの見どころ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 ヨーロッパリーグ(EL)は、チャンピオンズリーグ(CL)を欧州1部リーグだとすれば、欧州2部リーグに相当する。1レベル劣る。しかし、前半のグループリーグが終了するとその差が少し詰まる。CLの各グループリーグで3位になった8チームがELに降りてくるからだ。

 ELは、各グループリーグで2位になった8チームとCLから降りてきた8チームがプレーオフを行ない、勝利した8チームが、EL各グループリーグで1位になった8チームに加わり計16チームで決勝トーナメントを争う。

 CL3位対EL2位。常識的に考えて有利に見えるのはCL3位だ。2月15日に始まるELプレーオフ8試合の対戦カードは以下のとおり。右側のチーム(CL3位、第1戦のアウェーチーム)のほうが優勢だと考えるのが自然だ。

・カラバフFK対ブラガ
・トゥールーズ対ベンフィカ
・フライブルク対ランス
・レンヌ対ミラン
・マルセイユ対シャフタール
・スパルタ・プラハ対ガラタサライ
・スポルティング対ヤングボーイズ 
・ローマ対フェイエノールト

 しかし、英国のブックメーカー各社の前評判では、マルセイユ対シャフタール、スポルティング対ヤングボーイズ、ローマ対フェイエノールトの3試合でCL勢の苦戦が伝えられている。またフライブルク対ランスも接戦の予想だ。

 日本人選手(守田英正、上田綺世、堂安律)が所属する3チームは、事件性の高くなりそうな上記の試合に含まれている。

大勝した直近のブラガ戦に先発した守田英正(スポルティング)photo by Zed Jameson/MB Media/Getty Image大勝した直近のブラガ戦に先発した守田英正(スポルティング)photo by Zed Jameson/MB Media/Getty Imageこの記事に関連する写真を見る そのなかで筆者が最も注目するのはローマ対フェイエノールトだ。下馬評で優位なのはローマ。昨季のEL準優勝チームである。セリエAでは昨季6位、今季も現在まで6位につける。しかしつい1月ほど前、監督交代があった。ジョゼ・モウリーニョが解任され、代わってダニエレ・デ・ロッシが新監督に就任した。

 欧州一を懸けるCLにおいて、多くの一流チームで采配を振ってきたモウリーニョは、ついにELの舞台からも去ることになった。CLの前年覇者として2連覇を狙うかつてのライバル、ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)とは対照的な立場となった。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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