久保建英のカウンターがPSG撃破のカギ CLベスト8進出へ「右サイドからの攻撃」が突破口となる (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【マンチェスターCを目指した可変システムの完成度は?】

 基本布陣は4-3-3だが、シーズン前半戦は3-4-2-1や4-4-2もトライ。そしてCLグループステージ突破を決めてからは、ボールを保持する時に4-3-3から3-2-4-1(3-2-2-3)にスライドする「可変システム」に挑戦している。

 ペップ・グアルディオラ監督のマンチェスター・シティを目指しているわけだ。しかし、アフリカ選手権に参戦した右SBアクラフ・ハキミの不在期間が長かったこともあり、完成度は高くない。

 とりわけ、ネガティブトランジション(攻撃から守備への切り替え)が最大の弱点で、リーグ・アンの試合でも脆弱なディフェンスが露(あらわ)になるシーンが散見される。しかも、守備の要マルキーニョスの不調が続くうえ、負傷離脱中のCBシュクリニアルの復帰は3月の見込み。また、復帰間近の左SBヌーノ・メンデスも第1戦には間に合いそうもなく、現在は冬に補強した若手ブラジル人のベラウドをCBや左SBで使い回さざるを得ない状況だ。

 もしルイス・エンリケ監督がラ・レアル戦でも可変システムを採用するなら、予想されるスタメンは、GKジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からハキミ、マルキーニョス、リュカ・エルナンデス、ベラウドの4人。中盤は底にファビアン・ルイス(またはウガルテ)、左にヴィティーニャ、右にワレン・ザイール=エメリ。前線は右にデンベレ、左にバルコラ(またはコロ・ムアニ)、1トップにキリアン・エムバペといった11人になる。

 ちなみにアジアカップを戦い終えたばかりのイ・ガンインは、合流後の休養期間が設けられているため、第1戦でスタメンを飾る可能性は低い。

 以上のメンバーで3-2-4-1に可変すると、最終ラインは右からマルキーニョス、リュカ・エルナンデス、べラウド、ダブルボランチはザイール=エメリとファビアン・ルイス、2列目は右からデンベレ、ハキミ、ヴィティーニャ、バルコラ、1トップにエムバペとなる(ザイール=エメリとハキミが入れ替わるパターンもある)。

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