大久保嘉人がすごいと思ったストライカーベスト10「いつも参考にしていた」「悪いところも好きだった」選手たち (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【すごいというか美しかった】

1位:ロナウド(元バルセロナ、レアル・マドリードほか)

 ロナウドはスピードがあって、体も強くて、テクニックもある。あれだけひとりで何でもできるストライカーは、作ろうと思って作れる選手ではないし、なかなか出てこないでしょうね。足の回転が異次元に速かったのをよく覚えています。

 マジョルカ時代にレアル・マドリード戦で対戦したことがあって、ウチには2m近くて、体重も100kgを超えてスピードもあったDFがいたんですよ。そんな選手たち3人に囲まれて、掴まれてもそこを引きずりながらでもスルスルっと抜けてゴールまで持って行っちゃったんです。あれはすごいというか、美しいなと思いましたね。

 普通であればDFに掴まれたらファールをもらうと思うんですけど、彼はそれを振りきれるだけのパワーとスピードがありました。DFは引っ張っているはずなのに、ロナウドに引っ張られていましたからね。

 ああなったらもう削って止めるしかないですよ。あんな選手止めようがないよなって後ろから見ながら思っていました。

後編「大久保嘉人が対戦して嫌だったDF5人」へつづく>>

大久保嘉人 
おおくぼ・よしと/1982年6月9日生まれ、福岡県出身。国見高校時代は3年時に全国高校サッカー選手権を含む高校3冠を獲得。卒業後はセレッソ大阪を皮切りに、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、FC東京、ジュビロ磐田、東京ヴェルディでプレー。J13年連続得点王(2013-15年)、J1通算191ゴールの最多得点記録を持つ。欧州でもマジョルカ(スペイン)、ヴォルフスブルク(ドイツ)でプレーした。日本代表では2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯に出場。2021年に現役引退後はタレントとして活躍している。

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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