大久保嘉人がすごいと思ったストライカーベスト10「いつも参考にしていた」「悪いところも好きだった」選手たち (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【いつも参考にしていた】

4位:ウェイン・ルーニー(元マンチェスター・ユナイテッドほか)

 ルーニーもなんでもできる選手ですよね。キープもできて、パスもできて、シュートもうまい。それから守備でも相手をどこまでも追いかけていって、絶対にあきらめない。あれは見ていて気持ちがいいですよね。

 2010年の南アフリカW杯直前にイングランド代表と強化試合をした時に、彼と対戦をしたことがあるんですよ。その試合で覚えているのが、ルーニーが守備をする時に自陣のDFのところまでものすごい迫力で戻ってきたんです。

 ちょっとでもミスをしたらガッツリと削られてしまうんじゃないかという感じがして、あの気迫はちょっと怖いものがありましたね。さすがマンチェスター・ユナイテッドで活躍するトップ選手だなと思いました。

3位:セルヒオ・アグエロ(元マンチェスター・シティほか)

 アグエロはスピードがそこまで優れていたわけではないけど、スルスルっと抜けてシュートのうまさやパンチ力で決めてしまう。得点能力というのはずば抜けていましたよね。

 彼は僕と同じで体が大きくないので、自分とダブらせていつも注目してしまうストライカーでした。

 屈強なDFが多いプレミアリーグで、あれだけ体が小さい(173cm)なかで活躍し続けたのは、シュートセンスはもちろんですけど、体の使い方がとくにうまかったんだと思います。それがないとあれだけDFをかいくぐることはできないし、ケガも多くなっていたでしょう。

 体の使い方というのは、相手の動きを見て、どう動いて体を当てさせないか。その判断力の部分ですね。それができない選手は自分から動いてしまって、体を当てられて吹っ飛ばされてしまう。そうなるとケガが増えます。

 アグエロはそこが本当にうまかったので、見ていて楽しい選手でした。

2位:ロマーリオ(元バルセロナほか)

 ロマーリオは1994年のアメリカW杯の時に初めて見て、「こういう選手になりたい」と目標にした選手でした。いつも彼を参考にしてサッカーをしていました。

 それは、ボールを持った時の柔らかいタッチとか、裏への飛び出す動き、ボールを持った時にどこを見ているのかといったところです。

 彼は常にGKを見ながらプレーしていて、GKが前に出てきた瞬間にループシュートを狙うというのは何度も見ていたのでマネしました。あの得点感覚はすごかったです。

 それと彼の悪いところも大好きでした。イブラヒモビッチもそうですけど、やっぱりちょっと悪い系に惹かれるんですよ。

 でもそういう悪いところがある選手は、相手がされると嫌なこともよくわかる選手で、ストライカーには大事な要素だと思います。今はそういう選手が全然いませんけど、僕は個人的にそうした魅力もないと面白くないと思います。

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