伊東純也がどんどんうまくなっている要因を風間八宏が分析「必ず仕事をする」「珍しい例」 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【プレーの正確性が進化している】

 このわずかな期間のなかで、伊東はどのような変化を遂げているのか。風間氏が、具体的に解説してくれた。

「まず目につくのは、速さや強さに頼った強引なプレーがほとんどないということ。

 ひとつひとつのプレーで無駄に力を入れず、つまり良い意味で力が抜けた状態でプレーできている。シュートやクロスを見るとよくわかりますが、ボールをしっかり自分のコントロール下に置いてプレーができているので、以前と比べると"運ぶ"と"止める"がはっきりしてきました。その中間がなくなったので、どちらも正確性が高まっています。

 ボールを止める時にミスをして相手に奪われてしまうシーンが減っていますし、ボールを運ぶ時も、体から離しても近くに置いても、正確に運べるようになっています。

 速さとは正確性ですから、現在の伊東は走るスピードだけでなく、ボールを扱うプレー自体のスピードも上がったということです。時間をつくれる選手になったのも、そういったプレーの正確性が進化したからだと思います。

 もうひとつは、ポジションの取り方です。余っている時は得意の右サイドで張った状態でボールをもらいますが、中央や逆サイドに動きながらフリーな状態をつくることもできています。

 それは、相手に捕まらない場所がわかるようになったから。相手が見えるようになったということです。相手に捕まらないから、無理して競争する必要がなくなったというわけです」

 スタッド・ランスに移籍してからの伊東は、確かにプレースタイルが変化した。加入当初こそ右サイドを主戦場とするスピードスターだったが、ウィル・スティル現監督が指揮を執るようになったカタールW杯前の時期から次第に変化し、中央や左サイドにも顔を出し、攻撃の中心核として機能する選手になっている。

 たとえば、今年10月13日の日本対カナダ戦で田中碧の得点をアシストした時の絶妙なボールコントロールと浮き球のパスは、以前には見られなかった発想と技術だった。

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