三笘薫は守備にかかる負担が足かせに EL出場の日本代表選手の現状を総チェック (3ページ目)
【堂安律はゴールでアピール】
ただ、この姿勢がなければ、遠藤らの出場時間は限られるわけで、チームの層は厚くならない。チーム強化を考えたときリバプールにとってELは恰好の舞台になる。グループステージで4連勝を飾り、他のチームに先駆けてベスト16入りを決めることはできなかったリバプールだが、そこに特にこだわる必要はないわけだ。
メンバー発表があったばかりのW杯アジア予選を想起せざるを得ない。リバプールにとってのELが、日本にとっての2次予選に似ているからだ。森保監督がリバプールの監督なら、遠藤は使わなかっただろう。
日本人選手が所属するチームで勝利を収めたのは守田英正所属のスポルティング(2-1ラクフ・チェンストホバ/グループD)、堂安律所属のフライブルク(5-0バチュカ・トポラ/グループA)、三笘薫所属のブライトン(2-0アヤックス/グループB)、常本佳吾所属のセルベッテ(2-1シェリフ/グループG)で、敗れたのが町田浩樹所属のサン・ジロワーズ(0-3LASK/グループE)だった。
アヤックス戦にフル出場した三笘薫(ブライトン) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る もっとも守田、常本はケガで出場していない。守田は日本代表に招集されているが、大丈夫なのか。森保監督は先のメンバー発表記者会見で「守田は試合には臨める状態にあるから選んだ」と答えたが、その2日後に行なわれたELにはベンチにさえ入っていない。これはどういうことなのか。
ゴールを記録したのはフライブルクの堂安律だ。後半25分に交代で出場すると、追加タイムに、チュクビケ・アダム(オーストリア代表)のパスを受けると、ゴール左に冷静に蹴り込んだ。これまでの経緯を踏まえれば、堂安は相手の実力に合わせ、あえて先発を外れた恰好だが、それでもゴールを奪い、気を吐いた。代表のウイング争いで、伊東純也、久保建英ら候補選手に遅れを取っている堂安にとって、アピールとなる一撃となった。
アヤックスとアウェー戦を戦ったブライトン左ウイング三笘薫は、いつになく地味なプレーに終始した。前日、ベンフィカと戦ったレアル・ソシエダの久保建英との比較で言えば、貪欲さに欠けた。
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