遠藤航の隣でやたらと目立つソボスライ 一気に化ける可能性のMFを風間八宏が解説

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

風間八宏のサッカー深堀りSTYLE

独自の技術論で、サッカー界に大きな影響を与えている風間八宏氏が、今季の欧州サッカーシーンで飛躍している選手のプレーを分析する。今回は遠藤航の加入で注目のリバプールで、開幕から大活躍のMFドミニク・ソボスライ。「一気に化ける可能性は高い」というその能力とは?

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【ものすごく動ける選手】

 今シーズンから日本代表の遠藤航がプレーするリバプールで、現在目を見張る成長を披露しているのが、ハンガリー代表の至宝と評されるソボスライ・ドミニクだ。

風間八宏がリバプールのソボスライに注目 photo by Getty Images風間八宏がリバプールのソボスライに注目 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 今夏、ソボスライがライプツィヒ(ドイツ)から加入した際、リバプールが支払った移籍金は推定7000万ユーロ(約110億円)。この金額だけを見ても、ユルゲン・クロップ監督がいかにソボスライに大きな期待を寄せているのかがよくわかる。

「彼はライプツィヒでプレーしていた当時から驚くようなプレーを見せていましたし、違いを生み出せる選手でした。ほとんどのチャンスに絡んでいて、まだ若いのに、すでにチームの攻撃の中心になっていました」

 そう語るのは、長くブンデスリーガを見てきた風間八宏氏だ。

 2000年10月25日生まれのソボスライは、23歳になったばかり。かつては日本代表の南野拓実とともにオーストリアのザルツブルクでプレーし、10代の頃から将来有望な逸材として注目されていた。

 その後、2020年冬に同じレッドブル系のライプツィヒにステップアップ移籍。そのシーズンは体調不良もあって戦列を離れたが、2021-22シーズンに本格デビューを果たすと、風間氏が言うように、あっという間にチームの主軸となった。

 もちろん、現在もまだ世界的に名の知れたワールドクラスというわけではないが、近い将来、世界中のサッカーファンの誰もが知るレベルの選手になる可能性は極めて高い。とりわけリバプール加入後のパフォーマンスは、その布石とも言える。

 では、久しぶりに古豪ハンガリーから誕生した逸材は何が優れているのか。その特徴について、風間氏が解説する。

「まず、彼はライプツィヒで中心になっていただけあって、ものすごく動ける。運動量、スタミナがあります。かといって、ただ動き回るだけではなく、試合中によくボールを受けることができる。これは動きの質が高いからで、だからこそライプツィヒのような速いサッカーをするチームにもすぐにフィットできたのだと思います。

 もちろんリバプールに加入した当初は、ポジションや求められる役割も異なるため、ライプツィヒ時代ほど自分の良さを発揮できていない印象もありますが、それでも試合に出場し続けていることで、彼が持つ武器もかなり発揮されるようになってきました。

 このままいけば、リバプールのなかでも特別な選手になるかもしれません」

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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