CLで先発した日本人選手7人を採点 最高点は古橋亨梧の「7」、日本代表のライバル上田綺世は... (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by PA Images/AFLO

【逞しくなった久保建英】

 ただし、久保のプレーはずいぶん逞しくなっている。いい意味で"少年っぽさ"が消えた。屈強な相手と対峙しても萎縮せず、主導権を持てるようになった。技術的には相手を縦にかわして出るフェイントが板についてきた。

 ザルツブルグ戦では、開始2分、対峙する左SBアレクサ・テルツィッチ(セルビア代表)に対してその足技を披露した。相手の左サイドハーフ、マウリッツ・ケアゴー(元デンマークU-21代表)がそのカバーに駆けつけ、1対2の状況になると方向を転換。内に切り返し左足でグラウンダーのボールを折り返した。左ウイング、アンデル・バレネチェアの枠内シュートは惜しくもDFに当たり、ゴールとならなかったが、そのドリブル&フェイントは、まさしくワンランク上のプレーだった。こうしたA級のプレーを1試合に何度披露することができるか。三笘薫が3回なら、久保はその上の4回を狙いたい。採点するならば6.5となる。

 冨安所属のアーセナルは、昨季のフランスリーグ2位チームであるランスに対し、アウェーでまさかの逆転負け(2-1)を喫した。右SBとしてCL初スタメンを飾った冨安は、プレーそのものは悪くなかったが、採点するならばギリギリ6となる。

 それは2失点に関与してしまったからだ。同点弾となった1失点目は、GKダビド・ラヤのフィードミスに直接的な原因がある。冨安にめがけて出したパスを相手にカットされ、それが失点に直結したわけだが、コンビネーションに問題があったことは事実。交代出場が多く、スタメン入りを狙う冨安にとっては少々印象の悪い、痛い失点となった。

 また、逆転弾となった2失点目では、攻守が入れ替わる基点となるボールロスト役となってしまった。ドリブルで勇ましく前進したものの、相手に囲まれ奪われてしまう。それは直前に惜しいシュートを放っていたことと深く関係していた。

 MFマルティン・ウーデゴール(ノルウェー代表)の蹴ったCKに鋭く反応。冨安は好シュートを枠内に飛ばしていた。GKの好守で得点こそならなかったが、存在感を誇示するには十分な一撃だった。その時、冨安の脳内にアドレナリンが出まくっていた可能性がある。ボールを失うことになった直後の強引なドリブルは、その代償に見えた。

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