CLで先発した日本人選手7人を採点 最高点は古橋亨梧の「7」、日本代表のライバル上田綺世は... (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by PA Images/AFLO

【混沌に巻き込まれている鎌田大地】

 ラツィオ戦に話を戻せば、古橋が挙げた先制弾で、その2つ前のプレーに絡んだのは前田だった。右のタッチライン際からアシスト役となったオライリーに、よいタイミングで的確なパスを送っていた。アイスホッケーならばダブルアシストが記録されていたはずである。代表では左で起用されることが多い前田だが、右でもスムーズに動けることを証明したと言える。相手ボールを追いかけるプレッシングも光った。採点するならば6~6.5か。

 左インサイドハーフとして出場し、後半27分まで72分間プレーした旗手も悪くなかった。高い位置で安定した球さばきを披露。採点するならばやはり6~6.5となる。

 だが、セルティックは逆転負けした。後半の追加タイム(49分)に、バルセロナ、チェルシーなどで名を売ったペドロ(元スペイン代表)に逆転のヘディングを許し、前節のフェイエノールト戦に続き2連敗となった。

 E組はこの日、フェイエノールトに逆転勝ちしたアトレティコの力が一歩抜けていると目されていた。昨季のセリエA4位チーム、ラツィオが僅差で続き、フェイエノールト、セルティックは苦しい戦いを強いられるかに見えた。だが、アトレティコはその守備的すぎるベタ引きのサッカーが弊害となり、選手の能力を発揮できずにいる。ラツィオも今季のセリエAで現在16位と不振を極めている。すべての試合が接戦だ。

 その混沌に鎌田は巻き込まれた状態にある。4試合ぶりのスタメン出場となったこのセルティック戦でも、問題は見え隠れした。右インサイドハーフといえば攻撃の中心である。4-3-3では花形のポジションになるが、ボールが回って来ないのだ。相手の左インサイドハーフ、旗手と比較すれば一目瞭然だった。ラツィオの成績が上がらない現実を、鎌田の姿に見て取ることができる。日本人としてはそう言いたくなる。採点するならばギリギリ6となる。

 久保が所属するレアル・ソシエダは、現地時間火曜日にザルツブルクとアウェー戦を行ない0-2で勝利した。ただ久保の出場時間は思いのほか短く、後半18分までの63分間に終わった。実際、後半になると元気がなくなったかに見えた。欧州のカップ戦に出場している代表選手を、日本で行なわれる親善試合などに毎度招集することは、選手ファーストの立場から逸脱している、と別の原稿にも記したが、久保のプレーを見ていると、なおさらそう言いたくなる。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る